JVCケンウッドグループは、コーポレート・ガバナンスの強化によって経営における意思決定の透明性と効率性を高め、企業価値の向上を図ることを経営上の最も重要な課題の一つと捉えています。そのため、「経営と執行の分離」「社外取締役・社外監査役の招聘」「内部監査部門の設置によるチェック機能向上」の体制をとり、グループを挙げた内部統制システムの整備を進め、コーポレート・ガバナンスの充実、強化を図ることを基本としています。
コーポレート・ガバナンス体制図(2023年6月23日現在)
1.企業統治の体制として監査役会設置会社形態で執行役員制度を採用する理由
当社は、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方として掲げている、「経営と執行の分離」、「社外取締役・社外監査役の招聘」及び「内部監査部門の設置によるチェック機能向上」を効果的に機能させるためには、監査役会設置会社形態で執行役員制度を導入することにより会社の機関が互いに連携した体制が最も有効だと判断し、以下のとおり経営体制の整備をしています。
2.取締役会に関する事項
取締役会は、基本的・戦略的意思決定機関であると同時に、業務執行の監督機関と位置付けられ、毎月1回の定例開催及び必要に応じた臨時開催により、経営の基本方針や重要事項を審議、決議するとともに、業務執行状況の監視、監督を行っています。また、取締役の責任の明確化、経営の迅速性のため、取締役の任期を1年としています。あわせて社外取締役を積極的に招聘し、透明性の高い意思決定を図るとともに、変革とガバナンスを主導しています。
取締役は、2023年6月23日開催の第15回定時株主総会で岩田眞二郎氏(取締役会議長、社外取締役)、江口祥一郎氏(代表取締役)、野村昌雄氏(代表取締役)、宮本昌俊氏(代表取締役)、鈴木昭氏、栗原直一氏、園田剛男氏、浜崎祐司氏(社外取締役)、鬼塚ひろみ氏(社外取締役)及び平子裕志氏(社外取締役)の10名が選任されています。
当社は、2016年6月以降、経営陣から独立し中立性を保った独立社外取締役を取締役会議長とし、取締役会における活発な意見交換、議論の場を構築しています。2023年6月23日現在、社外取締役である岩田眞二郎氏が取締役会の議長を担っています。取締役会議長は、最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)及びコーポレート部門担当執行役員等と協議の上、取締役会の議題を決定し、また、最高経営責任者(CEO)は、代表取締役として取締役会を招集し、取締役会議事録の作成責任等を負っています。
3.監査役会に関する事項
当社は、監査役会設置会社であり、監査役は取締役会その他重要会議に出席するとともに、監査役会を開催し、取締役の職務執行、当社グループ全体の業務執行の監査、会計監査を実施しており、経営監査の機能を担っています。監査役会は、毎月1回及び必要に応じて随時開催されています。
監査役は、2020年6月19日開催の第12回定時株主総会で今井正樹氏(常勤監査役)、齊藤勝美氏(社外監査役)及び栗原克己氏(社外監査役)の3名が選任され、また、2021年6月25日開催の第13回定時株主総会で藤岡哲哉氏(社外監査役)が選任されています。
4.指名・報酬諮問委員会に関する事項
当社は、取締役会の機能の独立性と客観性を強化するため、2015年12月に、社外取締役全員が委員となる指名・報酬諮問委員会を設置しました。以後、指名・報酬諮問委員会は、当社の代表者の候補者を取締役会に提案するとともに、代表者等から提案される役員候補者及び役員報酬案の妥当性の検討を行い、意見を答申しています。取締役会は、指名・報酬諮問委員会の意見を尊重し、役員候補者及び役員報酬を決定しています。
また、当社は、2019年4月に、指名・報酬諮問委員会の委員である社外取締役が社内情報を適時的確に共有して委員会の実効性を高めるため、最高経営責任者(CEO)を委員に追加しました。なお、指名・報酬諮問委員会における当社の代表者の候補者を提案するための審議、決定の手続は、CEOである委員を除いた社外取締役である委員全員で行うこととしています。
指名・報酬諮問委員会は、2023年6月23日現在、委員に社外取締役である岩田眞二郎氏、浜崎祐司氏、鬼塚ひろみ氏及び平子裕志氏並びにCEOである江口祥一郎氏が就任しており、同日付の指名・報酬諮問委員会決議により、浜崎祐司氏が委員長に就任しています。
5.執行役員制度に関する事項
当社は、2008年10月の当社設立当初から執行役員制度を導入し、監督機能と業務執行機能を分化して経営責任と業務執行責任を明確化しています。
取締役会は、変革とガバナンスを主導するために社外取締役を議長として、独立役員である社外取締役と、執行役員兼務取締役との議論を通じて透明性の高い意思決定を行い、業務執行を執行役員に委任し、最高経営責任者(CEO)は、取締役会の意思決定を受けて自ら議長を務める執行役員会を主導しています。
各執行役員は、モビリティ&テレマティクスサービス分野(M&T分野)、セーフティ&セキュリティ分野(S&S分野)及びエンタテインメント ソリューションズ分野(ES分野)の3分野の分野責任者や傘下の事業部長を担当するとともに、新規ビジネス開発を担当するDXビジネス開発部を管掌し、また、米州、EMEA(Europe, Middle East and Africa:ヨーロッパ、中東及びアフリカ)及びAPAC(Asia Pacific:アジア太平洋)の3地域の全事業の運営責任を負う海外地域担当及び中国の全事業の運営責任を負う総代表を担当することにより、事業と地域の両面で責務を明確化しています。また、各執行役員が、CFO(Chief Financial Officer)、CTO(Chief Technology Officer)、CISO(Chief Information Security Officer)及びコーポレート各部門を担当してCEOを支える執行体制をとり、責務を遂行しています。
当社は、2023年4月に中期経営計画「VISION2025」を策定しました。当社が抱える経営課題を解決し、中長期的な企業価値向上を達成するため、また、取締役会における多様性・バランスを確保するために経営陣に期待される専門分野とスキルを以下のとおりまとめています。
※上記1~5、取締役のスキルマトリックスの記載は、第15期 有価証券報告書(2022年4月1日~2023年3月31日)からの抜粋となります。
※役職は2023年3月31日時点
取締役会 | 出席回数(出席率) | |
---|---|---|
社外取締役 |
岩田 眞二郎(議長) |
15回(100%) |
代表取締役 |
江口 祥一郎 |
15回(100%) |
代表取締役 |
野村 昌雄 |
15回(100%) |
代表取締役 |
宮本 昌俊 |
15回(100%) |
取締役 |
鈴木 昭 |
15回(100%) |
取締役 |
栗原 直一 |
15回(100%) |
取締役 | 園田 剛男 | 15回(100%) |
社外取締役 |
浜崎 祐司 |
15回(100%) |
社外取締役 |
鬼塚 ひろみ | 15回(100%) |
監査役 |
今井 正樹 |
15回(100%) |
社外監査役 |
齊藤 勝美 |
15回(100%) |
社外監査役 |
栗原 克己 |
15回(100%) |
社外監査役 | 藤岡 哲哉 | 15回(100%) |
監査役会 | 出席回数(出席率) | |
監査役 |
今井 正樹 |
14回(100%) |
社外監査役 |
齊藤 勝美 |
14回(100%) |
社外監査役 |
栗原 克己 |
14回(100%) |
社外監査役 | 藤岡 哲哉 | 14回(100%) |
指名・報酬諮問委員会 | 出席回数(出席率) | |
社外取締役 |
浜崎 祐司(委員長) |
9回(100%) |
社外取締役 |
岩田 眞二郎 |
9回(100%) |
社外取締役 |
鬼塚 ひろみ |
9回(100%) |
代表取締役 |
江口 祥一郎 |
8回(88.9%)※1 |
執行役員会(開催回数:14回) |
※1 自身の指名・報酬にかかる審議が行われた指名・報酬諮問委員会を利益相反の観点から1回欠席しています。