2012年

NEWS RELEASE

2012年10月10日

自閉症など発達障害の早期発見を目的に
連合小児発達学研究科と発達障害診断支援のための共同開発を開始
~注視点検出による発達障害診断補助装置「GazeFinder」の開発~

当社は、大阪大学大学院・大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学 連合小児発達学研究科(科長:片山 泰一 教授)および一般社団法人子どもの発達科学研究所と、発達障害診断支援のための共同開発を開始しましたのでお知らせします。

なお、本共同開発は、注視点検出による発達障害診断補助装置「GazeFinder」の開発を主とするものであり、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)による「研究開発成果実装支援プログラム」に採択されております。

1.発達障害診断補助装置「GazeFinder」の概要

「GazeFinder」は、ステレオカメラとモニターおよび専用の映像コンテンツによって構成されており、被験者が映像を視聴する際の注視点を検出することで発達障害の可能性を短時間に分析することができる診断補助装置です。


発達障害診断補助装置「GazeFinder」の特長

  • 専用の映像を視聴するだけで、発達障害の可能性を短時間に検出することが可能
  • 乳幼児期からの発達特性を客観的な指標を用いて捉えることができ、障害の早期発見が可能
  • 本装置による分析データは、全ての子どもとその保護者に対して、医療・福祉・教育など各専門家が包括的かつ継続的な支援を行う上での基礎データとなる

発達障害診断補助装置「GazeFinder」イメージ


静岡大学工学部 海老澤 嘉伸 教授の発明による視線検出技術を用いています。

注視点測定イメージ


「GazeFinder」は、人物ではなく幾何学模様に注視点が分布する等の自閉症の子どもの特徴を捉えて診断を支援します。


2.発達障害診断補助装置「GazeFinder」の開発背景と目的

発達障害の特性をもつ子どもは近年、増加傾向にあり、その割合は約10%とも言われています。自閉症・自閉症スペクトラム障害(ASD)は、3歳までに発症する発達障害のひとつで、社会的相互作用の障害・意思伝達の障害・限局した興味と行動などの特性がみられます。発見が遅れた場合、社会生活に大きな支障をきたす可能性が高まりますが、早期発見・療育により、社会的予後が改善されることが知られています。


早期(3歳未満)に発達障害の可能性を発見するためには、全ての乳幼児に対して診断を行うことが望まれますが、一方で受診すべき乳幼児の数に対して専門医の数が著しく少ないのが現状です。そのため、経験に依存せず簡便に測定できる診断補助装置の開発および客観的診断指標の確立が望まれています。


当社は企業ビジョンに掲げた「感動と安心」を創るメーカーとして、連合小児発達学研究科とともに、発達障害の可能性がある子どもの早期発見と療育支援を可能にする発達障害診断補助装置「GazeFinder」の製品化を目指すとともに、発達障害を包括的に支援するシステムの開発を進めてまいります。

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株式会社JVCケンウッド 経営戦略部 戦略企画統括部 広報・IR担当
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