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気候変動への対応

基本的な方針

気候変動問題は重要な経営課題であり、JVCケンウッドグループは、調達、製品開発、製造、製品・サービスの提供といったバリューチェーン全体を通じて、気候変動がもたらすグループへの影響の回避・低減に取り組みます。

そのためには気候変動問題の緩和に貢献し、適応する取り組みが重要です。JVCケンウッドグループは、Scope1+2、 Scope3カテゴリのCO₂排出量削減や、生産工数の削減や省エネ機器導入等を通したエネルギー利用の削減に取り組みます。

グローバルでのCO₂排出量の削減の短・中・長期目標として、以下を掲げています。

 

■事業活動に伴うCO₂排出量削減

  •   気候変動への対応:2050年カーボンニュートラルを実現
  •     Scope1+2目標:2030年までに2019年比46.2%削減(総量、グローバル)

 

取り組みの推進にあたっては、以下のKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定し、取り組み状況を進捗管理しています。


取り組みテーマ KPI

2023年度

2025年度

2030年度

CO₂排出量削減(Scope1+2)(2019年度比)

▲16.8%

▲25.2%

▲46.2%


■購入した製品、輸送、販売した製品の使用による排出量削減

  • Scope3 目標:2030年までに2019年比13.5%削減(カテゴリ1、4、11、グローバル)

(※カテゴリ1:原材料・部品および購入した物品に伴う排出量、カテゴリ4:原材料・製品の輸送に伴う排出量、カテゴリ11:販売した製品の想定される電力消費に伴う排出量)

取り組みテーマ KPI

2023年度

2025年度

2030年度

CO₂排出量削減(Scope3)(カテゴリ1、4、11)(2019年度比)

▲1.23%

▲4.92%

▲13.5%

目標達成に向けた活動として、事業所における電力の使用量監視、高効率の生産・空調機器への更新、LED照明等の設備導入を進めており、従業員への環境教育にも力を入れています。また、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)にも参加しており、CO₂総排出量の削減、エネルギー原単位の改善についての連携や情報収集も行っています。2019年の環境省主催の「インターナルカーボンプライシング活用支援事業」への参加を通じて社内における炭素コストの意識付けに向けた活動を開始し、今後は経済産業省主催の「GXリーグ」への参加を目指し、排出削減と産業競争力の向上の実現に向け、排出量取引、市場ルールの形成、ビジネス機会の創造、参画企業との交流を検討していきます。(詳細は環境省ホームページをご覧ください。)

※GXリーグ:自主的参加の温室効果ガス排出権取引(GX-ETS)など、カーボンニュートラルに向けた社会構造変革のための価値提供を目指す、リーダーシップを持った企業の集合体。


JVCケンウッドグループでは、サステナビリティ推進室が主体となり、SBT(科学的根拠に基づく目標)を含む関連情報の収集や目標設定の議論を深めています。今後も、適切な目標設定、管理と情報開示等により、着手可能な施策から随時取り組みを進めていく予定です。


TCFD提言に基づく情報開示

2023年4月、金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。詳細は、気候関連財務情報開示タスクフォース サポーターをご覧ください。



■ガバナンス

JVCケンウッドグループは、「気候変動への対応」をサステナビリティ推進戦略における重要な課題の一つとして認識しています。具体的には取締役会による監督のもと、取締役を兼務する担当執行役員を置き、2018年4月にサステナビリティ推進室を設置し、気候変動を含むサステナビリティ推進戦略を迅速に実行するための体制を整備しました。サステナビリティ推進室は、気候変動対策推進とその進捗管理の全社的な調整を行い、関連部門と連携し、マテリアリティ(重要課題)やKPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)の定期的な見直しや、気候変動による事業への潜在的な影響についての調査・情報収集、サステナビリティ関連情報の開示拡充に取り組んでいます。加えて、社内における気候変動に関する問題意識の醸成や理解促進に向け、関連各部署と積極的なコミュニケーションを図りながら、事業とサステナビリティを結び付ける取り組みを主導しています。
また、気候変動問題に対応するガバナンス体制として、2023年度より気候変動問題への対応を含む、サステナビリティ全般についての推進主体組織である「サステナビリティ委員会」をCEO直轄組織として設置し、脱炭素化に向けた戦略の策定や施策の検討を行います。同委員会は、毎年2回の定例開催に加え、必要に応じて臨時開催し、議論の内容は執行役員会や取締役会に報告します。また、「サステナビリティ委員会」の下部組織として、テーマごと(気候変動については環境部会)に担当役員を責任者とする専門部会を設置し、それぞれのテーマの課題の抽出、目標や実施計画、具体的対応等を協議し、推進していきます。取締役会は、これらの委員会、会議を監視、監督し、意思決定を行います。


サステナビリティ推進体制


2023年度の具体的な活動として、環境部会において、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」「生物多様性の保全」を主な柱とした「JKグリーン2030」による目標設定について議論を行い、取締役会の決議を経て承認されました。また、サプライヤー部会の活動として、特にスコープ3におけるカテゴリ1:原材料・部品および購入した物品に伴う排出量、カテゴリ4:原材料・製品の輸送に伴う排出量の算定精度向上と排出量削減に向けた取り組みを実施しています。



■戦略

JVCケンウッドグループは、TCFD提言に沿って「シナリオ分析」を実施し、リスクと機会の特定と、影響度や対応策の検討を行いました。


JVCケンウッドグループにおける『リスクと機会』の特定と事業に対する影響度



特定した「リスクと機会」に対する対応策として、環境配慮型製品や防災・減災に対応した製品の開発、導入を進め、新たな市場の開拓に取り組んでまいります。また、新中期経営計画「VISION2025」と連動した日本国内市場向けの製品において「国内生産回帰」、生産総量を考慮した生産拠点レイアウトの最適化、環境負荷の低減を考慮した製品開発、天然資源設備の代替検討、再生可能エネルギー電力の使用といった対応策への投資計画などにより、エネルギー消費量やCO2排出量を削減し、製造・輸送などの企業活動のプロセスの効率性を向上させ、さまざまなリスクに対応してまいります。


■リスク管理

JVCケンウッドグループでは、職場と経営層が協働して取り組むリスクマネジメントとして、全世界の職場でリスクサーベイランスプロセスを毎年実施しております。リスクサーベイランスにおけるリスク項目の中には自然災害リスク等が含まれており、気候変動に関連する事項も含めてリスクの特定、評価、管理を行っています。リスクサーベイランスプロセスの詳細は全社的リスクマネジメントをご覧ください。

リスクサーベイランスにおいては、検討対象とするリスクカテゴリ内にTCFD提言に沿ったリスク管理(移行リスク・物理的リスクおよびその分類項目)を追加しました。これにより、気候変動に起因するリスクを明確に管理すると同時に、他の一般的なリスクと統合した形での対応策の進捗管理を実現しています。

リスクカテゴリ リスク事象
大分類

中分類

小分類
気候変動関連のリスク 移行リスク(低炭素経済に移行する際に発生するリスク) 政策・法規制 炭素税の導入
GHG排出量規制/排出量報告義務
省エネ政策/設備投資によるコスト増
法規制・燃費規制等
市場 原材料・エネルギーコスト増/調達困難
消費者の行動変化

重要商品/製品価格の増減

技術 再エネ・省エネ技術開発の遅れ
環境配慮製品開発の研究開発投資増加
評判 顧客の評判変化
投資家の評判変化
ブランド棄損
物理的リスク(気候変動による物理的変化により発生するリスク) 急性 異常気象の激甚化(台風・洪水)
BCP対応によるコスト増加
慢性 平均気温の上昇
降水・気象パターンの変化
海面の上昇

■指標と目標

JVCケンウッドグループはJKグリーン2030を策定・推進しています。気候変動のリスク対策に向け、短中期的にはScope1+2の目標として2030年までに2019年比で46.2%の削減を目指し、Scope3の目標としては、2030年までに2019年比13.5%の削減を目指しています。長期的には2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を立てています。

詳細についてはCO₂排出量削減をご覧ください。


外部団体との協働

JVCケンウッドグループは、気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative : JCI)のメンバーとして気候変動に関わる情報交換や政策提言の支援を行っています。JCIはパリ協定が求める脱炭素社会の実現に向け、世界と共に挑戦の最前線に立つことに賛同した企業や自治体、NGOなどによるネットワークで、政府による温暖化ガスの削減戦略に対する働きかけや気候変動に係る国際会議等で意思表明などを行っています。JVCケンウッドグループは、JCIが掲げる宣言「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」に賛同し、「1.5℃目標の実現に向けた世界のトップランナーとなるよう、自らの活動においてエネルギー効率化と再生可能エネルギー利用を加速する」という内容に沿って、生産工程の省エネルギーをはじめとする取り組みを強めていきます。



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