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知的財産の利活用推進

JVCケンウッドグループは、経営環境の変化に迅速に対応し、当社が持続的な成長を実現するため、①イノベーションの創出、②事業競争力の強化、および①②を加速させる③組織・基盤の強化を重視し、経営課題と対応させた知的財産の利活用戦略を策定しています。IPランドスケープを活用し、事業の創出・拡大における経営課題を抽出するとともに、当該課題の解決に資する知的財産活動を推進しています。知的財産利活用の取り組みの柱として、以下の点に注力しています。

  1. 1. 顧客と互いに拠出する「強み」としての知的財産利活用推進による、強固なパートナーシップの構築
  2. 2. データ・ノウハウなどを含む広義の知的財産(無形資産)の管理強化による、事業の特性に適した参入障壁の構築
  3. 3. 顧客価値の向上に資する知的資本投資・知的財産利活用に基づく収益の拡大、および再投資による知的創造サイクルの推進

※知的財産情報を活用した経営戦略・事業戦略を展開するための手法


知的財産の利活用・管理体制

知的財産の利活用・管理体制として、将来の活用を想定した知的財産ポートフォリオを創出する本社知的財産部に加え、事業分野ごとに事業特許グループを設置しています。また、各事業部技術部門にも知的財産責任者や知的財産推進責任者を設置し、全社的に知的財産に対する意識を高め、取り組みを強化しています。加えて、これらの知的財産活動は、取締役会において定期的に報告され、取締役会が実効的に監督する体制を構築しています。


知的財産活動のKPI

知的財産を適切に管理・利活用していくために、以下のKPIを設定しています。

取り組みテーマ KPI

2023年度

2025年度

2030年度

ESG強化に貢献する当社マテリアリティ関連特許出願件数の比率

10%以上

15%以上

25%以上

このKPI達成に向け、知的財産戦略に沿った活動を継続して行い、イノベーションの創出と事業競争力の強化により、企業価値の最大化を目指します。

2022年度の実績については、マテリアリティと実績をご確認ください。


特許ポートフォリオ

事業を支える特許ポートフォリオ

当社の事業構造を踏まえ、2017年度以降の特許出願件数については、エンタテインメント ソリューションズ分野(ES)およびセーフティ&セキュリティ分野(S&S)の出願件数を維持しつつ、モビリティ&テレマティクスサービス分野(M&T)の出願件数の増加を図ることで、事業を支える特許を獲得しています。また、2018年にR&D部門を設立した後は、同部門の出願を強化し、未来における顧客価値の創造に貢献する特許創出活動を継続的に行っています。


競争優位性を高める特許ポートフォリオ

事業戦略およびR&D戦略と連携し、IPランドスケープを活用して今回新たに設定したKPIに基づく知的財産活動によって、特許ポートフォリオの最適化を推進します。また、全従業員を対象とする発明創出活動を展開し、バリューチェーンの各フェーズにおける顧客ニーズを把握し、顧客価値の提供を意識した特許の創出につなげます。


「創る」と「かせぐ」をつなぐ知的財産の利活用

データやノウハウなどを含め、当社が保有する広義の知的財産(無形資産)の分析・価値評価を行い、当社の事業競争力の強化につなげます。知的資本への投資によって知的財産を創出し、顧客価値の向上によって収益につなげることで、再投資へと循環させる、「創る」、「守る」、「かせぐ」の知的創造サイクルを推進していきます。


具体的な活動

JVCケンウッドグループは、IPランドスケープを活用して、研究開発の方向性や技術開発戦略の策定を支援する活動を行っています。また、知的財産力の強化として、R&D部門、各事業部技術部門、JVCケンウッド・デザイン、および知的財産部が連携し、IPランドスケープを活用した各技術テーマの分析結果とともに、未来の社会環境も踏まえた上で、ワークショップ形式による将来の活用を想定した発明を共創する活動を行っています。加えて、新規事業創造のための「特許アイディア会議」を、各事業拠点の事業特許グループ単位で積極的に開催しており、会議で検討された内容から、知的財産ポートフォリオの構築を行っています。

さらに、新入社員や新任幹部職、技術者、デザイナーを対象とした「知的財産研修」の開催や、「知的財産表彰」の実施を通じて、グループ従業員への知的財産に対する意識向上を図っています。加えて、知的財産に関する各種社内規程の周知や「知財月報」などの発行物と併せ、社内全体の知的財産に対する恒常的な意識付けに貢献しています。