Skip Navigation.

トップ > 製品情報 > 特長と機能

製品情報

機能と特長

特殊ARコート

   特殊AR(アンチリフレクション) コートは従来のLCDの表面処理と比較し、フォーカス・ノイズ・コントラスト・視野角特性に優れ、フィルムのように締まった黒と鮮鋭度の高い表示を実現します。
  下記にその特長と物理試験結果について解説します。



従来のLCD表面処理と特殊ARコート
 医用画像表示用ディスプレイの表示面は、背景の映りこみを軽減するために、AG(アンチグレア)処理されているのが一般的です。しかしAG処理は、光の散乱反射のためフォーカス特性の低下や、散乱した光が表示画像と重なることによりノイズ特性の低下が生じてしまいます。このため、マンモ画像診断用など極めて微細な描出が必要とされるディスプレイの一部においては、フォーカス・ノイズ特性を優先するため(映りこみの増加には目をつむり)、AG処理を廃止したLCD(グレアタイプ)も存在しています。
 このように、フォーカス・ノイズ特性と映りこみはトレードオフの関係にあり、両立する表面処理の実現が望まれていました。

LCDの各表面処理模式図と特長 (模式図のため実際の構造とは異なります)

AG(アンチグレア)処理
AG + ARフィルター
特殊ARコート
AG(アンチグレア)処理
AG + ARフィルター
特殊ARコート
直径4μm程度のビーズで外光を散乱反射させ背景の映 りこみを抑えている。透過光(表示画像)も散乱反射 するためノイズ特性、フォーカス特性の低下が生じる。 AG処理されたLCDに空気層を挟んでARフィルターを装着した構成。ARフィルター 装着により、コントラスト 比の改善が図れる。
LCD表面に直接AR層を形成することにより、光の散乱反射が減少し、ノ イズ・フォーカス・コント ラスト・視野角特性が向上する。

良好な表示特性が得られる理由
 下の図は、特殊ARコートしたLCDとAG処理したLCDに微小輝点を表示させたときの比較イメージです。特殊ARコートはAG処理に比べ光の拡散が少ないためフォーカスが良く損失の少ない表示が得られます。さらに、光の拡散による黒浮きが減少するため、コントラストも改善されます。
  このような理由により、特殊ARコートは良好な表示特性が得られます。

微小輝点の表示イメージ

微小輝点の表示イメージ

 
物理試験結果について
 特殊ARコートはAG+ARフィルターに比べ、Rs(鏡面反射)を除く全ての物理試験において良好な結果が得られています。

表面処理
フォーカス(MTF)
最高輝度
(暗室)
最低輝度
(明室)
コントラスト比
反射係数
視野角*
水平
垂直
暗室
明室
Rs(鏡面)
Rd(拡散)
明室
暗室
特殊ARコート
105
104
105
107
117
110
90
257
60°~60°
80°~80°
AG+ARフィルタ
100
100
100
100
100
100
100
100
0°~10°
60°~60°

AG

99.7
98.3
99.2
-
91.2
-
113
94.7
-
60°~60°

注1)

・300万画素モノクロームLCDで測定
・数値はAG+ARフィルターの試験値を100とした場合の相対値。(数値が大きいほど優れた特性)
※視野角特性は、AAPM TG18法による。(コントラスト比が170以上得られる視野角)


ノイズ(NPS)特性グラフ
フォーカス(MTF)特性グラフ

ノイズ(NPS)特性 (500万画素モノクロームLCDにて測定)
特殊ARコートは一般のAG処理に比べノイズレベルが低い。

フォーカス(MTF)特性 (MS51i2にて測定)
特殊ARコートは一般のAG処理に比べ高いフォーカス特性が得られる。

 

背景の映りこみ特性について
 下の写真は、明室において4種の表面処理の映りこみを撮影した写真です。グラフは、写真を画像解析した結果です。X軸は写真横方向の位置、Y軸は相対輝度を示します。グレアでは白い紙がLCD表面に鏡に映したように映りこみ、相対輝度が一番高くなっています。特殊ARコートでは、映りこんだ白い紙の端面が、AG処理、AG処理+ARフィルターよりクリアに見えるものの、映りこみの相対輝度は、4種の表面処理で一番低く抑えられていることが分かります。
※ノイズ特性・フォーカス特性改善のため、AG処理を廃止したLCDの表面処理


明室での各種表面処理による映りこみの比較
LCD前面に白い紙を置き、その映りこみを撮影



写真の解析グラフ

   
 

まとめ
 特殊ARコートによるLCDの表面処理は、AG処理、AG+ARフィルターに比べ、鏡面反射(映りこみ)を除く全ての物理試験において一番良い結果が得られました。鏡面反射においては、反射係数で若干劣る数値となったものの、映りこんだ画像の相対輝度は一番低く抑えられています。
 このような結果から特殊ARコートはその他の表面処理と比較し、医用画像表示用ディスプレイの表面処理に最も適していると言えます。

 

一覧に戻る

ページトップへ