少子高齢化社会の課題に寄与する価値創出


視線を可視化する視線計測装置「Gazefinder」

少子高齢化社会が進行する日本において、労働人口の減少やそれに伴う経済の停滞は深刻な社会課題です。労働人口の減少幅を少しでも和らげるためには、若者の社会参画促進や高齢者の健康寿命延伸が不可欠です。

こうした課題に対応するため、JVCケンウッドでは、これまでに培ってきた映像・光学技術を生かして開発を行った視線計測装置「Gazefinder(ゲイズファインダー)」の医療機器化を進めています。「Gazefinder」は、被験者の視線、すなわちモニター画面上のどこを見ているかを正確に計測することができます。視線は、脳の働きと密接に関係しており、これを計測することで、脳の発達や疾患・障がい等を客観的かつ定量的に評価をすることが可能となります。


自閉スペクトラム症の早期発見に貢献

活用例として、まず発達障がいのうち特にコミュニケーションが苦手とされる自閉スペクトラム症の診断補助が期待されます。「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(平成24年度、文部科学省)において、知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は、約6.5%(推定値)と示されました。この数字は平均的な小学校1クラスに支援の必要な児童が2名程度いることになり、少子高齢化が進み、労働人口の減少や経済の停滞が危ぶまれる日本においては大きな社会課題といえます。

 

学童期においては、低学年では学習面や行動面の問題が顕在化しやすいですが、高学年になるにつれてさまざまな問題が錯綜し見えにくくなる可能性があり、特に早期発見によって早期支援を実現することが重要となります(平成28年2月 文部科学省初等中等教育局報告会資料より)。

正しい診断は、教育の場における適切な支援や周囲の方への理解を促すことにつながり、また、早期診断によって乳幼児期から適切な支援が行われた場合、通常の学級への対応力が大幅に上がることがわかっています。そのため、「Gazefinder」による診断補助により一人でも多くの児童が早期治療を受けることは、将来的な社会参画を支援するための端緒となり得ると認識しています。


認知症患者に対する早期診断への応用も

「Gazefinder」は、今後も増加が見込まれている認知症患者に対する早期診断への応用も期待されています。簡便かつ正確な認知症診断システムの開発が望まれる中、「Gazefinder」はそのニーズに応え得る製品と言えます。検査時の心身への影響を最小限に留めながら正確に認知症リスクを見極め、早期の適切な治療とサポート環境に誘導することにより、認知症患者自身や家族の負担軽減に寄与します。「Gazefinder」の活用が進むことで、認知症や医療費負担という高齢者医療を取り巻く大きな課題を解決する一助となることが期待できます。


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「Gazefinder(ゲイズファインダー)」 NP-100


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乳幼児への測定イメージ


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高齢者への測定イメージ