Date:2018/6/28
Place:大和リース株式会社 名古屋支店 VERDENIA
Interviewee:
大和リース株式会社
執行役員 環境緑化事業部長
千田文二郎 様
Date:2018/6/28
Place:大和リース株式会社 名古屋支店 VERDENIA
Interviewee:
大和リース株式会社
執行役員 環境緑化事業部長
千田文二郎 様
●はじめてKooNeを体感されたときのご感想はどのようなものでしたか?
今から3年前くらいに渋谷のビクターエンタテインメントの会議室で体感したのがはじめてになります。KooNeを体感して正直、自分の事務所に戻りたくないと思いました。 とても心地よく、会話を止めてじーっとしていた記憶があります。
●緑化事業を拡げ、KooNe他を取り込むことになった背景と経緯。
体感会の席で、KANSEI Projects Committee(KPC)という五感を可視化するという組織の話を伺いました。その中には聴覚としてKooNeの音のほか、嗅覚にうったえるアロマなどを取り扱っているということで、その中に我々大和リースの緑化事業も親和性がありそうだなという感じがしていました。
KooNeのハイレゾ音質の森の自然音はとても心地よいものの、体感したビクターエンタテインメントの会議室も一般的な会議室同様に植栽といえば植木鉢が1つあるくらいで、その場の風景は渋谷の高層階の窓から見渡せる都会の町並みでした。この眺めに対し、KooNeによる森の自然音が生きていない、もったいない、なにか不自然さを感じたのを覚えています。それと同時に弊社の緑(植栽)による空間づくりの事業が、なにか相乗効果をもたらしそう、空間で音と緑のペアリングができるのではないか、そういった商品サービスをお客様に提供できたらとすぐに思いました。
●緑化事業の五感空間ブランド「VERDENIA(ヴェルデニア)」が誕生するまでの流れをお聞かせください。
個人的にキャンプが趣味でよく週末森へ心身ともにリセットしにいくことがありました。
キャンプというのは、木々の香り、ログハウスにおけるウッドデッキなどの手触りという触覚を楽しめるインテリア類、森にいる小鳥のさえずりに目の前にある新緑、といった五感への刺激がすべてそろって心地よさを思う存分味わえます。 翻って、都会というのは、容積率が緩和され高層ビルが増えオフィスはさらに緑のある場所から遠ざかっているように思います。すべてのサラリーマンがしょっちゅうキャンプにいけるわけではありません。そこで、森で深呼吸するのと同じような空間をオフィスに持ち込めたらという思いがあり、それがVERDENIAのような空間サービスを考えた始まりです。
KPCとの出会いから、自社の緑と、KooNeの音と、アロマの香りとで五感のうち3つ感覚を融合させてオフィス空間をデザインし、さらに、見えてこなかったリラックスなどの効果に対してエビデンスを用意し可視化することで、これまで緑化だけを扱っていたときに「無いよりあったほうがいいけど…」というお客様の言葉を「無いと困る」といわれるまでの存在へと発展させるものとして「VERDENIA」が誕生しました。「VERDENIA」とは 緑を表すイタリア語の“VERDE”と、場を表す“~IA”をあわせた造語で「緑あふれる場所」という意味になります。
●「VERDENIA」の目指すものをお聞かせください。
昨今、企業においては、どんな働き方改革をしていくかということが問われています。
事実、社会背景として働き手はこの先減少傾向にあり、企業存続にあたっては優秀な人材確保は重要な課題であり、オフィス環境を見直すことは、このような課題に対するひとつのソリューションと考えます。
また、大和ハウスグループのDNAとして、世の中の人々がどういったものを求めているかを考え、その求めているものを事業化するという教えがあります。VERDENIAという居心地よい場が、世の中の人々が求めているものの一つになれることを目指しています。
●KooNeを導入された「VERDENIA」に対するスタッフの様子の変化などがありましたら教えてください。
時代とともに若手と先輩社員たち、部下と上司のコミュニケーションのとり方も変わってきているかと思います。そういうコミュニケーションのあり方は会議室という空間では限界があるように思われます。これまでの会議室といえば、会議とはいえ自由に意見をいえるような雰囲気ではなかったり、早く会議が終わればいいのにと思うほど空気感が重いスペースであったように思います。現在、大和リースの複数の支店にVERDENIAエリアが設置されていますが、ここは会議や打ち合わせ、休憩などフリースペースとして利用されており、これまでの閉鎖的な空間に存在していた重々しい雰囲気はなく、緑があり森の自然音が聞こえる開放的な場でコミュニケーションのあり方の変化も見られるようになりました。ジェネレーションの違いも関係なく若手も意見を言いやすくなったようです。
●これからのVERDENIAについてお聞かせください。
冒頭にもお話しましたが、未来に向かって優秀な働き手や新しい働き手は減少傾向にある中で、企業は、働き手から選ばれる企業としての努力が必要になってくる時代になってきていると思います。空間から生まれるポジティブな価値観を提供できるという強みを活かし、選ばれる要素としてVERDENIAというサービスを確立していきたいと思います。
価値の一つとしては、組織の縦割り的なコミュニケーションのあり方に横串を刺し変化させることで新たなアイディアやスムーズな事業展開を生み出すような活用の促進です。
また、ショッピングモールのような商業施設も今までとは環境が変わり、働き手の減少傾向からテナントの誘致が難しくなってきているところも昨今見受けられます。こういった大規模商業施設で、各テナントでなく商業施設自体が働き手全体のワーキングスペースの環境を向上させるという課題があがってきています。このような状況の解決策の一つとして快適な休憩所・コミュニケーションの場としてVERDENIAが活用されたらと思っています。
単なる雰囲気がいいというだけでなく、植栽に対する緑視率や、KooNeの音、アロマの香りといった五感の要素をそろえた空間の居心地の良さを可視化できるようエビデンスを用意しVERDENIAの理解を高めながらお客様にご提供していきたいと考えています。
千田様のヒトとの関係性を大切にしているという根底にある思いとキャンプ経験が、オフィス空間にこれまでと違ったコミュニケーションの活性を促し、ヒトに優しい空間VERDENIAを作りだすきっかけとなったことに、関心を覚えました。社会課題の解決を企業のDNAとしてもつ大和リース様の空間事業にKooNeをパートナーとして認めていただけたことに感謝いたしますとともに、今後も多くの企業様に快適な空間を提案できるようご一緒に挑戦できたら幸いです。
Interviewer:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント エンタテインメント・ラボ 岡崎早苗