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生物多様性の保全

生物の生息環境の悪化や生態系の破壊に対する懸念の深刻化が進む中、自然と共生する世界の実現に向けてより効果的かつ迅速な取り組みが求められています。
JVCケンウッドグループでは、国際的な枠組みである「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」における「2030年までに自然の損失を止め、反転させる」という目標に賛同し、企業としての役割を果たすべく、事業活動全体において自然との共生を目指した取り組みを推進しています。

環境基本方針「JKグリーン2030」に基づき、以下の生物多様性に関する目標を設定しています。この目標は、気候変動への対応、資源の有効活用、その他の環境保全・管理にかかる活動を通じて達成を目指していきます。

  • ・ 製品やサービスのライフサイクルの各ステージにおける持続可能な社会の実現に向けた活動を生態系の維持につなげ、生物多様性を保全する
  •  

事業活動が与える生物多様性への影響を最小限に留め、保全に取り組むことの重要性を認識し、行政や専門家、地域の方たちと連携しながら、国内外の事業所の近隣地域における保全活動に取り組んでいます。


生物多様性ワーキンググループでの活動

JVCケンウッドでは電機・電子4団体の生物多様性ワーキンググループの一員としても、生物多様性の保全活動に取り組んでいます。
ワーキンググループでは、電機・電子業界における生物多様性保全の主流化やネイチャーポジティブへの貢献を目的として、電機・電子業界の視点から、生物多様性保全に取り組む上で必要な知識や、実践に役立つ各種ツール、セミナーやイベントの案内など、ワーキンググループが電機・電子業界の視点で制作・企画したさまざまコンテンツをご紹介し、企業の生物多様性の取り組みを支援しています。

※電機・電子4団体
JEMA:一般社団法人日本電機工業会
JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会
CIAJ:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会
JBMIA:一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会


生物多様性保全活動

ビオトープによる生態系の創出

JVCケンウッドは、横浜市環境創造局が進める「京浜の森づくり」事業の一環として活動する「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」の趣旨に賛同し、2003年の発足当初から参画しています。2006年には、本社・横浜事業所内に、お客さまや従業員の憩いの場として「共存の森」と名付けたビオトープ(緑地および止水池)を設置しました。このビオトープは「とんぼ池」として整備され、フォーラムの飛来するトンボの種類や移動距離の調査地点となっています。2024年には国際的な生物多様性の保全目標「30by30※1」への取り組みとして、他の参画団体のビオトープとともに「横浜・京浜の森」として「自然共生サイト※2」に認定されました。また、2025年には「OECM※3」として国際データベースへ登録されました。京浜臨海地区の企業の一員として、地域社会と共に、持続的な環境保全活動に取り組んでいます。

  • ※1「2030年までに、陸域および海域の30%以上を健全な生態系として保全する」という国際目標
  • ※2「民間等の取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域」として国が認定した区域のこと
  • ※3 保護地域以外で生物多様性保全に資する地域のこと

自然共生サイト認定ロゴ

OECM登録ロゴ


2024年度も引き続き池の整備やトンボ調査を行い、3日間で延べ17人の従業員が参加しました。事業所の生態系調査を毎年実施しており、これまでの調査でトンボ以外にもコオイムシやタヌキモなど累計15種の生きものや植物等が確認されています。今後も生物多様性を保全するためのモニタリング調査や従業員の環境への意識を高める活動を継続して行っていきます。


採取されたクロスジギンヤンマ

とんぼ池


また、2018年よりビオトープエリアの樹木に野鳥の巣箱も設置しており、営巣と雛の孵化が見られ、無事に巣立ちをした形跡も確認されています。

2024年に巣箱も更新して、引き続き野鳥やほかの生きものなど、地域の生態系を支え、そのつながりを充実させることに貢献します。


取り付けられた巣箱

巣箱2号


巣箱の雛に餌を与える親鳥

共存の森


Forest Notes 野生生物観察ライブツール開発

JVCケンウッド・デザインでは自然環境内に設置されたマイクやカメラからいつでも自然を感じることができるライブ配信サービス、Forest Notesを提供しています。今回は公益財団法人知床財団との連携で、特に世界自然遺産区域の中でも課題になっている、電気も通信インフラもない森林奥地の環境でも、ヒグマ(人間との事故が懸念)やシマフクロウ(人間活動の影響による絶滅危惧)などの野生生物の生態を観察、分析することにより、人と野生生物とのよりよい関係を考え、築いていくためのツール開発を実施しました。JVCケンウッドのイノベーションデザインセンターが開発中のFIR(遠赤外線)カメラを組み込み、環境省から特別な許可を得て「自立型ライブ配信パッケージ」を区域内に設置して撮影とライブ配信テストを実施しました。得られた映像は全くの暗闇の中でも生き生きと活動する動物たちの様子を記録に残すことができました。今後、映像、音声の自動検知、解析なども組み込み、数多くの地点でデータを取得できるようなサービスも含めたツールの開発を目指しています。

撮影されたシカ

ライブカメラ設置風景


植林活動・森林保全活動

JVCケンウッドグループは、各拠点において植林や森林保全の活動に取り組んでいます。豊かな植生や生態系の維持とともに、今後も生物多様性の保全に寄与していきます。

植樹活動
Shinwa Industries (China) Ltd. / Huizhou Shinwa Optical Co., Ltd.

森林保全活動
JVCKENWOOD Optical Elecdtronics (Thailand) Co., Ltd.