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生物多様性の保全

生物の生息環境の悪化や生態系の破壊に対する懸念の深刻化が進む中、自然と共生する世界の実現に向けてより効果的かつ迅速な取り組みが求められています。2010年にCOP10で採択された愛知目標以降、2022年12月に採択された新たな枠組みGBF(Global Biodiversity Framework:昆明・モントリオール生物多様性枠組)においては、その前身である愛知目標の未達を教訓に、企業や金融等の参画をより強く求める内容となりました。国内外で生物多様性の保全に関する枠組みが強化される中、企業の役割の重要性も増しており、生物多様性に配慮した事業活動の実施や生物多様性の保全に関した計画的な取り組みが求められています。

JVCケンウッドグループは、環境基本方針「JKグリーン2030」に基づき、以下の生物多様性に関する目標を設定しています。この目標は、気候変動への対応、資源の有効活用、その他の環境保全・管理にかかる活動を通じて達成を目指していきます。

  • ・ 自然関連リスクを機会として捉え、自社およびサプライチェーンの製品/サービスの各ライフサイクルステージにおいて環境基本方針の実現に向けた活動を積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献し、生物多様性を保全する
  •  

事業活動が与える生物多様性への影響を最小限に留め、保全に取り組むことの重要性を認識し、行政や専門家、地域の方たちと連携しながら、国内外の事業所の近隣地域における保全活動に取り組んでいます。


生物保全活動

森林再生と飼料作物栽培(タイ)

JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd.(タイ)は、社会・環境貢献活動に積極的に参加しており、今年が4回目の参加になります。JKOT従業員87名がタップラン国立公園管理区域4で森林再生プロジェクトに参加し、自然回帰と環境保全の一環として、飼料用作物400本を植えました。



赤川河口部の清掃活動(JVCケンウッド山形)

山形県鶴岡市を流れる「赤川」の河口部の清掃活動を行っています。この赤川河口クリーンアップ活動は山形県保健福祉環境部 環境課およびNPO法人パートナーシップオフィスのご協力のもと、今年で17回目の開催となりました。

山形県で掲げている、「裸足で歩ける庄内海岸」を目指し、総勢26名の参加者によって可燃ごみ62袋(160kg)、埋め立ごみ13袋(80kg)計240kgのゴミが回収されました。

さらに、地域貢献活動の一環として大量のゴミが漂着する飛島の清掃活動にも取り組んでいます。近年、砂浜にマイクロプラスチックごみが漂着する問題が深刻化しており、これらの原因となるプラスチックを回収することで生物多様性の保全に寄与しています。



ビオトープによる生態系の創出

JVCケンウッドは、2006年より本社・横浜事業所内に「共存の森」と位置付けたビオトープ(緑地と止水池)を設置し、お客さまや従業員の憩いの場として活用しています。その後、横浜市環境創造局が進める「京浜の森づくり事業」の一環として活動する「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」の主旨に賛同し、ビオトープを「トンボ池」として整備し、京浜臨海地区の企業の一員として、地域社会と共に持続的な環境保全活動に取り組んでいます。

2022年度も引き続き池の整備やトンボ調査を行い、3日間で延べ12人の従業員が参加しました。事業所の生態系調査を毎年実施しており、これまでの調査でトンボ以外にもコオイムシやタヌキモなど累計15種の生きものや植物等が確認されています。今後も生物多様性を保全するためのモニタリング調査や従業員の環境への意識を高める活動を継続して行っていきます。

また、「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」は20周年を迎え、これまでの成果を振り返るとともに、より多くの人に活動を知ってもらう機会を創出するために記念イベント(パネルトーク「トンボから見えてくる地域の未来」)が開催され、そのフォーラムメンバー企業として参加しました。

詳細はトンボはドコまで飛ぶかフォーラムのウェブサイトをご参照ください。


採取されたトンボ

記念イベントツアー


また、2018年よりビオトープエリアの樹木に野鳥の巣箱も設置しており、今年は営巣と雛の孵化が見られ無事に巣立ちをした形跡が確認されました。

生態系にとって適切な環境を作ることで、地域の生態系を支え、そのつながりを充実させることに貢献し続けます。


取り付けられた巣箱

巣箱の雛に餌を与える親鳥

共存の森