生物の生息環境の悪化や生態系の破壊に対する懸念の深刻化が進む中、自然と共生する世界の実現に向けてより効果的かつ迅速な取り組みが求められています。2010年にCOP10で採択された愛知目標以降、COP15において生物多様性に関する国際的目標「ポスト2020生物多様性世界枠組」の検討を筆頭に、国内外で生物多様性の保全に関する枠組みが強化される中、企業の役割の重要性も増しており、生物多様性に配慮した事業活動の実施や生物多様性の保全に関した計画的な取り組みが求められています。
JVCケンウッドグループは、環境基本方針「JKグリーン2025」に基づき、以下の生物多様性に関する目標を設定しています。この目標は、気候変動への対応、資源の有効活用、その他の環境保全・管理にかかる活動を通じて達成を目指していきます。
事業活動が与える生物多様性への影響を最小限に留め、保全に取り組むことの重要性を認識し、行政や専門家、地域の方たちと連携しながら、国内外の事業所の近隣地域における保全活動に取り組んでいます。
JVCケンウッドは、2006年より本社・横浜事業所内に「共存の森」と位置付けたビオトープ(緑地と止水池)を設置し、お客さまや従業員の憩いの場として活用しています。その後、横浜市環境創造局が進める「京浜の森づくり事業」の一環として活動する「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」の主旨に賛同し、ビオトープを「とんぼ池」として整備し、京浜臨海地区の企業の一員として、地域社会と共に持続的な環境保全活動に取り組んでいます。
2021年度も引き続き池の整備やトンボ調査を行い、3日間で延べ9人の従業員が参加しました。事業所の生態系調査を毎年実施しており、これまでの調査でトンボ以外にもコオイムシやタヌキモなど累計15種の生きものや植物などが確認されています。今後も生物多様性を保全するためのモニタリング調査や従業員の環境への意識を高める活動を継続して行っていきます。
JVCケンウッド山形は、山形県環境保全協議会主催の社会貢献事業(緑化活動促進事業)に2011年から参加しています。
山形県鶴岡市にある金峯山では、炭焼の材料となるナラなどの広葉樹が植えられていますが、近年、炭の需要減少に伴い、里山が放置されつつあります。里山の豊かな植生を維持するため、毎年、除伐やつる切り、下刈りなどの作業がボランティアによって行われており、2021年もJVCケンウッド山形から3名の従業員が参加しました。前日は夜半まで雨でしたが開催日は快晴となり、金峯山の豊かな自然を体感しながら、作業を行いました。
なお、この取り組みが評価され、山形県環境保全協議会より感謝状をいただいています。
JVCケンウッド・デザインは、2021年10月「知床サスティナブルウィーク2021」に参加しました。このイベントは、⾃然環境や熊や鹿などの野⽣動物と人間の共存などといった、持続可能な社会への気付きをテーマにして開催されました。JVCケンウッド・デザインは、知床自然センター近傍の森にライブカメラやマイクを設置し、リアルタイムで周囲を360°見渡せるライブ配信を行いました。サステナブルな音や映像体験を通じて、普段は知ることができない静かで穏やかな知床の森の雰囲気をお届けすることができました。
360°見渡せるライブ配信
「知床サスティナブルウィーク2021」会場