JVCケンウッドグループは、「エコ推進計画2020」に基づいて策定された各種省エネルギーの取り組みを進めています。2019年には、環境省主催の「インターナルカーボンプライシング活用支援事業」に参加しており(詳細は環境省ホームページをご覧ください)、社内における炭素コストの意識付けに向けた活動を開始しました。
JVCケンウッドグループは、グローバルでのCO₂排出量の削減の中長期目標として、温室効果ガス排出量を2020年度までに2012年度比で年1%ずつ削減することを掲げています。
目標達成に向けた活動として、事業所における電力の使用量監視、高効率の生産・空調機器への更新、LED照明等の設備導入を進めており、従業員への環境教育にも力を入れています。また、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)会員として経団連の低炭素社会実行計画にも参加しており、CO2総排出量の削減のみならず、エネルギー原単位の改善にも取り組んでいます。
また、取り組みの強化には、気候変動に関する各種課題検討や情報共有を全社横断的に実施する必要があります。JVCケンウッドグループでは、サステナビリティ推進室が主体となりTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やSBT(科学的根拠に基づく目標)を含む、関連情報の収集や目標設定の議論を深めています。今後も、適切な目標設定、管理と情報開示等により、着手可能な施策から随時取り組みを進めていく予定です。
JVCケンウッドグループは、「気候変動への対応」をサステナビリティ推進戦略における重要な課題の一つとして認識しています。具体的には取締役会監督のもと担当役員(2020年4月以降は常務執行役員)を置き、その傘下にサステナビリティ推進室を設置し、気候変動を含むサステナビリティ推進戦略を迅速に実行するための体制を整備しました。サステナビリティ推進室は、気候変動対策推進とその進捗管理の全社的な調整を行い、関連部署と連携し、マテリアリティ(重要課題)やKPIs(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)の定期的な見直しや、気候変動による事業への潜在的な影響についての調査・情報収集、サステナビリティ関連情報の開示拡充に取り組んでいます。加えて、社内における気候変動に関する問題意識の醸成や理解促進に向け、関連各部署と積極的なコミュニケーションを図りながら、事業とサステナビリティを結び付ける取り組みを主導しています。また、取締役会で定期的にサステナビリティ推進戦略に関する進捗の報告を行い、必要に応じて議案を上程します。
JVCケンウッドグループ全体におけるCO₂総排出量(Scope1および2)は、直近6か年において、おおよそ減少傾向にあります。2019年度は目標値である69,750tを下回る44,742tに排出量を抑えています。
中期目標
温室効果ガス排出量:2020年度までに2012年度比 年1%ずつ削減。
CO₂排出量の推移(2012-2019年度)
売上高原単位(千トン/億円)
2012年度 | 2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上高 原単位 |
0.024 | 0.018 | 0.021 | 0.018 | 0.017 | 0.016 | 0.016 | 0.015 |
対象範囲:国内および一部の海外グループ会社
事業所別CO₂排出量 (2016-2019年度)
CO2排出量(千トン)
国内/海外 | 事業所名 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|---|---|
年度目標 | 72.0 | 71.0 | 70.5 | 69.8 | |
日本 |
本社・横浜事業所 | 3.2 | 3.3 | 3.2 | 3.1 |
八王子事業所 | 2.2 | 2.0 | 2.1 | 1.8 | |
白山事業所 | 1.3 | 1.2 | 1.2 | 1.1 | |
久里浜事業所 | 2.9 | 3.0 | 3.1 | 3.2 | |
横須賀事業所 | 0.5 | 0.5 | 0.4 | 0.4 | |
JVCケンウッド山形 | 0.7 | 0.6 | 0.6 | 0.5 | |
JVCケンウッド長野 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | |
JVCケンウッド長岡 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.1 | |
JVCケンウッド・クリエイティブメディア | 7.7 | 6.5 | 6.1 | 5.7 | |
JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 1.0 | |
JVCケンウッド・ビデオテック | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | |
JVCケンウッド・デザイン | 0.1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | |
その他関係会社 | 0.6 | 0.3 | - | - | |
マレーシア | JVCKENWOOD Electronics Malaysia Sdn. Bhd. | 3.2 | 3.0 | 2.8 | 2.8 |
タイ |
JVCKENWOOD Electronics (Thailand) Co., Ltd. | 4.1 | 3.8 | 3.3 | 3.1 |
JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd. | 3.6 | 3.7 | 3.5 | 3.1 | |
インドネシア | PT. JVC Electronics Indonesia | 9.5 | 9.3 | 10.5 | 10.2 |
中華人民共和国 | Shanghai Kenwood Electronics Co., Ltd. | 7.7 | 7.6 | 6.9 | 5.3 |
シンガポール | JVCKENWOOD Technologies Singapore Pte. Ltd. | 1.2 | 1.2 | 1.3 | 1.2 |
総合計 | 51.7 | 49.2 | 48.3 | 44.7 |
対象範囲:国内および一部の海外グループ会社
原材料調達、製造、輸送、使用、廃棄に至るまでの、企業活動のさまざまなプロセスにおける間接的なCO2排出量を算出しています。排出量算定においては、 環境省および経済産業省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に従い、その実績を集計しています。今後も部品点数の削減や省電力製品の開発等を通して、CO₂排出量の削減に取り組んでいきます。
Scope3におけるCO₂排出量(2019年度) 算定対象期間:2019年4月~2020年3月
カテゴリ | 算定結果 (千トン-CO2e)[割合] |
算定概要 | |
---|---|---|---|
2019年度 | |||
1 | 購入した製品・サービス | 366.9[61%] |
原材料・部品および購入した物品に伴う排出量
|
2 | 資本財 | 20.4[3%] |
設備投資に伴う排出量
|
3 | Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動 | 5.6[1%] |
エネルギーの調達に伴う排出量
|
4 | 輸送、配送(上流) | 45.4[7%] |
原材料・製品の輸送に伴う排出量
|
5 | 事業から出る廃棄物 | 0.5[0%] |
事業活動による廃棄物に伴う排出量
|
6 | 出張 | 1.1[0%] |
従業員の出張に伴う排出量
|
7 | 雇用者の通勤 | 4.0[1%] |
従業員の通勤に伴う排出量
|
8 | リース資産(上流) | - | 算定対象外 |
9 | 輸送、配送(下流) | - | 算定対象外 |
10 | 販売した製品の加工 | - | 算定対象外 |
11 | 販売した製品の使用 | 160.3[26%] |
販売した製品の想定される電力消費に伴う排出量
|
12 | 販売した製品の廃棄 | 1.7[0%] |
販売した製品の想定される廃棄処理に伴う排出量
|
13 | リース資産(下流) | - | 算定対象外 |
14 | フランチャイズ | - | 算定対象外 |
15 | 投資 | - | 算定対象外 |
合計 | 605.8 |
CO2総排出量(2019年度 Scope1+Scope2+Scope3)
JVCケンウッドグループは、気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative : JCI)のメンバーとして気候変動に関わる情報交換や政策提言の支援を行っています。
JCIはパリ協定が求める脱炭素社会の実現に向け、世界と共に挑戦の最前線に立つことに賛同した企業や自治体、NGOなどによるネットワークで、政府による温暖化ガスの削減戦略に対する働きかけや気候変動に係る国際会議等で意思表明などを行っています。JVCケンウッドグループは、JCIが掲げる宣言「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」に賛同し、「温室効果ガス排出削減に関する日本政府の公的なコミットメントを超えた積極的な役割を果たし、2℃未満目標の実現に向けた世界のトップランナーとなる」という内容に沿って、生産工程の省エネルギーをはじめとする取り組みを強めていきます。
詳細は気候変動イニシアティブホームページをご覧ください。
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