世界各国で活躍するJVCケンウッドグループの多様な社員を紹介する「従業員インタビュー」。
今回は海外版第2弾として、タイ・マレーシアの生産拠点で働く社員を紹介します。
Tan Ah Choon(タン アー チュン)
1997年入社 総務管理部長
台湾の大学を卒業後、日本の大学院に進学。専門は経営学・会計学。
日本企業で数年間働いた後、JKEMにITシステムエンジニアとして入社。
IT部門長、生産管理部長を経て、2014年から総務管理部長に。
これまでのキャリアについて
ITのシステムエンジニアとして入社し、1年後にIT部門長になりました。その後、資材部門長、総務管理部副部長、生産管理部長などを経て、2014年から現在の総務管理部長をしています。
仕事をする上 での私のモットーは「とにかく楽しみながら仕事をする」ことです。もちろん、仕事では大変なこともたくさんありますが、「辛い、苦しい」だけではなく、「楽しく」仕事をしたいと考えています。
また、ひとつでもいいから「これまでと違うことをやってみる」ことを心がけています。いつもと同じでは楽しくないので、他にはない、皆が楽しく取り組めるようなアイデアを常に提案するようにしています。たとえば、JKEMでは毎年5Sの推進活動を行っているのですが、毎年同じことを淡々と行うだけでは社員になかなか浸透しません。そこで、オリジナルの5Sソングを作ることを提案しました。音楽が得意な社員に作曲をお願いし、歌が得意なメンバーを集めて音楽スタジオで録音し、毎週金曜の5Sの時間に流すことにしたのです。他社にはない取り組みだったこともあり、社員から大好評でした。これからもたくさんアイデアを出して、社員が楽しく仕事ができるような職場環境を作っていきたいと考えています。
家庭と仕事の両立について
結婚してから下の子どもが3歳になるまでの6年間、住み込みで家政婦を雇っていました。その後はパートタイムメイドをお願いしながら、家族全員で家事を分担してきました。どこの国でも同じだと思いますが、キーポイントは限られた時間とお金の中で、「夫婦そろって働いている時間は両親に子どもの世話をお願いする」「平日はベビーシッターに預ける」など、利用可能なリソースをフルに活用することだと思います。
マレーシアでは、日本で見られるような「家事は女性の仕事」という風潮はほとんどありません。夫婦ともに働き、夫婦ともに家事・育児を行う。さらにそれを両親や近所の人でサポートします。そういう環境があるため、仕事で活躍するのに性別は全く関係なく、能力や適性に応じて仕事を与えられます。
ダイバーシティ&インクルージョン
マレーシアには、マレー系、中国系、インド系など複数の人種がともに暮らしています。当然宗教や慣習も異なるため、会社としてもさまざまな背景を持つ社員たちが働きやすいように配慮や工夫が必要です。たとえば、毎週金曜日はムスリムがお祈りのためにモスクまで行かなくてはならないため、昼休みを長めに設定しています。また断食期間中、彼らは太陽が出ている間は食事ができません。食事を摂る時間も変則的になるため、休憩時間を変更するなどの対応をしています。
その他、日々さまざまな要望が社員から寄せられます。そのような時、私はバランスが重要だと思っています。たとえばあるコミュニティから何か要望があった場合、それが他の人たちに取っては都合のよくないことかも知れません。そのような時は、関係者を集めてディベートを行います。必ずしも全員が納得する答えが出るとは限りませんが、なぜやらなければをいけないかを丁寧に説明すること、それからきちんと話し合うことが大切だと思っています。
マレーシアでは、長い歴史の中で複数の民族がともに暮らしてきました。日本では他文化に接する機会が少ないため、異なる文化に接すると構えてしまいがちですが、この国では、日常的に異なる文化に接し、当たり前にお互いの文化や慣習を尊重しながら生活しています。
マレーシアで日々彼らと接する中で、文化や言語・宗教が違っても、同じように喜怒哀楽という感情を持った人間同士であり、その気持ちに一つ一つ応えることがコミュニケーションなのだと実感しています。多様性の尊重や他文化の受容など、マレーシアに学ぶことは多いのではないかと思います。
JKEM外観
部品管理フロア
Muslims are given special Scarf
Visit Chatpimonrut(ビジット チャピモンラット)
2017年入社 技術部 ITセクション
コンピューター工学専攻。
大学卒業後、ゲーム関連企業で2年間プログラマーとして働いた後、2017年にJKOT入社。
ITセクションでソフトウェア開発とプログラミングを担当している。
これまでのキャリアについて
12歳の時、事故で右腕を失いました。友人とサッカーの試合を観戦した帰り道、誤って電線に触れてしまったのです。突然火花が散り、私は気を失い救急搬送されました。医師から切断をするしかないと説明を受け、右腕を切断する手術を受けました。
大学ではコンピューター工学を専攻し、制御ハードウェアのプログラミング、組み込みシステム、プリント基板設計などを学びました。就職先を探すのは、困難の連続でした。障がいを持っているだけで、応募の機会さえ与えてくれない企業もありました。ようやくゲーム関連の会社に就職することができ、2年間プログラマーとして働きました。
その後、いつかメーカーで働きたいと言う想いを叶えるため、知り合いの勧めでJKOTの採用試験を受けました。合格の報せを受けた時は、とても嬉しく、興奮しました。
現在はどのような業務をしていますか?
現在は社内のインターネットシステムの開発・サポートをしています。最近では、出荷管理のためのバーコードシステムを開発しました。従来は出荷前の完成品の分類を目視で行っていたのですが、バーコードシステムを導入したことで、より正確かつスムーズに出荷管理ができるようになりました。
他にも、社内設備の予約管理システム、イベント時の入場者数カウントシステムなどを開発しています。これからもたくさん勉強して、ITの側面からJKOTの業務効率化を推進できるようなスペシャリストを目指したいです。
ダイバーシティ&インクルージョン
JKOTは障がいを持つ社員や妊娠中の女性に対して、さまざまな配慮があります。たとえば、身体が不自由な社員や妊婦にはオフィスに一番近い場所に専用の駐車場が用意されています。また、安心してゆっくり食堂やトイレを使用できるよう、他の社員とずらした時間帯で休憩時間を設定しています。
それから、JKOTには、障がいの有無に関係なく、能力に応じて仕事を任せてくれる風潮があります。先日は、全社のITグローバルミーティングに参加するため、シンガポールとマレーシアに出張しました。そこでは、サイバーセキュリティや組織行動・文化について学んだり、各国の生産拠点を見学したりしたのですが、IT化が非常に進んでいる様子を見ることができ、とてもよい刺激を受けました。
タイに赴任して感じたことは、男女平等が浸透していることです。たとえば子育てや家事は、夫婦はもちろん、それぞれの両親も含めて皆で協力し合うケースが多いです。そういう背景もあり、女性の出産後の復職はとても早いですし、復職後もすぐに通常勤務に戻ります。
また、彼らはとても家族を大切にします。たとえば、家族が風邪を引いたら、会社を休んで病院に連れて行くのも当たり前のこと。日本では、仕事より家族を優先するのはためらわれるような空気も少しありますが、彼らを見ていると、家族を第一に考えることは、何もおかしいことではないのだなと改めて気づかされます。
JKOT外観
妊婦専用ライン
障がい者・妊婦用駐車場
*所属・職位は掲載日時点の情報です。