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戦力として仕事を任せてくれる環境の中で
次は自分が誰かの勇気になりたい。


無線システム事業部 技術情報システムグループ1990年入社。

アマチュア無線機の設計担当を経て、現在は無線機設計に必須なCAD関連ツールの運用・管理・教育・保守サポートや設計作業を効率化するための業務を担当。
2010年10月、頸椎硬膜外膿瘍(けいついこうまくがいのうよう)を発症。緊急手術により一命を取り留めるも、後遺症により首から下が全て動かない状態となる。約1年間の入院および懸命なリハビリの結果、車イスでの移動や手動運転装置による車の運転等ができるまでになり、2012年2月に復職を果たす。



まずはやってみる。答えは後から出せばいい。



入社して27年になりますが、仕事に対する姿勢はまったく変わっていません。何事も「やってみなければ答えは出ない」「できないことを考えるより、できることを考える」というのがポリシーです。我々技術者は新しい発想をカタチにすることを使命としていますが、新しいことにチャレンジする時、人はどうしても守りに入ってしまいがちです。本当に実現可能なのだろうか?これは難しいのではないか?と。でも、そこで諦めてしまったら競合他社に取り残されてしまう。大事なのはとにかくやってみること。答えはその後で出せばいい。

もちろん仕事のスタンスは人それぞれですが、チャレンジし続けることが自分の成長にもつながります。だからこそ私は日頃から「まずは、やってみよう!」と同僚にも伝えるようにしています。




個を尊重し、仕事を任せてくれることがやりがいと意義につながっている。



現在は製品設計をサポートする立場として、常に新しい取り組みにつながるミッションを探るようにしています。JVCケンウッドは社員一人ひとりの多様性を尊重してくれる会社です。障がいの有無にかかわらず、戦力として自分の力量に見合った仕事を任せてくれます。
私はこの環境の中で自由に考え、自ら率先してやれることを見つけて、自分にできることを提案しています。最近では、部品の測定に関して効率化を目的とした運用変更を提案しました。結果として毎月多くの測定依頼が入るようになり、製品設計のスピードアップに貢献できたことは何よりも嬉しかったです。


大切なのは「あきらめない」気持ち。
復職後の環境も会社がサポートしてくれた。



私が闘病生活を乗り越えて、復職したのは2012年のこと。手術直後は手足が全く動かないところからのリハビリで、座っている状態をキープする訓練から始まり、服の着替えや食事など生活するための基本的なことを自分でできるようにするのが第一の目標でした。半年経っても復職が見えず辛い時期もありましたが、リハビリ専門の病院に転院してからは徐々に生活するために必要な動きを取り戻していくことができました。車イスでの段差の乗り越え、坂道でも移動できる体力的なトレーニング、手動で車を運転する訓練など、たくさんの乗り越えなければならない課題を一つひとつクリアして、あきらめずにリハビリを続けた結果、予想以上に回復し、復職を実現する事ができました。発病当時は子どもがまだ大学生と高校生で学費のかかる時期だったこともあり、これから先家族で生活していけるのか大きな不安を抱えていたので、復職できた時はこれでまた家族を守っていけると安心したことを覚えています。
復職にあたってはトイレやスロープなど職場環境の整備が必要でしたが、会社が迅速に対応してくれたので、問題なく業務に復帰することができました。その後も、社内に新たな設備を取り入れる時には、車イスで問題ないかなど意見を聞きに来てくれます。このように現場の声を生かし、働きやすい環境をサポートしてくれる体制ができていることもダイバーシティを実感させてくれます。
 


多様な人材でつくる横のつながりから新しいひらめきが生まれるかもしれない。



社内の設備だけでなく、私たちの声を生かしてできることはもっとあると思います。当社には映像・音響・無線などの技術がありますが、それと障がいを持った社員の意見を組み合わせれば、私たちにしかできない製品を生み出すこともできるのではないでしょうか。例えばビデオカメラやイヤホンなどの開発にあたって、使い勝手はどうか、必要な機能は何か、そのようなヒアリングをすることで他社にはない使いやすさを備えた製品が生まれるかも知れません。
社内には私の他にも障がいを持った社員がたくさんいますので、ぜひ気軽に声をかけて欲しいです。



ダイバーシティを意識しないことが本当のダイバーシティになる。



私は自分の境遇を通して、これから働こうと考えている多くの障がい者の方に、障がいがあるからといって臆することなく、自分らしく働くことができるんだと伝え、勇気を与えたいと考えています。今後の目標は、障がい者が活躍する企業としてJVCケンウッドの認知度を上げていくことです。そのためには、社内外に向けて自分の経験を発信し、部署の垣根を越えて周りの人たちに積極的に働きかけを行うなど、自分にできることは何でもやっていきたいです。そして、いずれはJVCケンウッドの全ての職場で、特別に意識することなく、多様な人たちが当たり前に自分らしく働くことができるインクルージョン※された企業風土形成の一助になればと思います。

※インクルージョンとは
性別、国籍、障がいの有無、性的指向など、さまざまな背景を持った人たちが、互いに尊重し合い、自然に受け入れあうことのできる風土のこと。
 

 

*所属・職位は掲載日時点の情報です。