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仕事をする私も、子育てする私も。
いつでも自分らしく進んでいきたい。


2006年入社。2013年よりイギリス、ドイツの海外駐在を経て、現在はメディア事業部マーケティング部に所属。ヘッドホンを中心に欧州の海外営業を担当し、生産発注、出荷対応、新商品の企画など、多岐にわたる業務を行っている。


海外営業として、さらに道を切り拓くためイギリスへ。


海外駐在が決まったのは、入社7年目のことでした。自分が海外営業として認められた気がして、すごく嬉しかったです。だからこそ、白羽の矢を立ててくれた会社に応えるため、それに見合うだけの仕事をしたい。そんな思いで向かったイギリスでは、ただの一社員でいてはいけない、もっと上に立つくらいの気持ちでいないと、と業務にあたっていました。経営判断を求められる場合でも上長任せにしなかったり、何か問題が起きれば自ら前に出て行ったり、日本の本社とのパイプ役を担ったり。常に現場を一歩上から見て対応するよう心掛けていました。

時には、現地人スタッフと意見をぶつけ合うこともありました。営業としてどう成果を上げていくか、お互いに妥協できない部分があるからこそ、解決策を探るためのぶつかり合いです。日本ではつい自分の気持ちを隠してしまいがちですが、言わなくてはならないことは、はっきり言わないと伝わりません。バシッと言いたいことを言って会社を出た後に、お互いに電話して謝り合うこともよくありました。「ごめん」の一言ですっきり終わらせて、後を引くことがないのも、海外ならではの環境だったと思います。


停滞していた日々。妊娠が新たな変化への期待に。


妊娠がわかったのは、帰国して2年ほど経った時のことです。当時の私は、海外駐在で積み上げてきた経験をどう生かすか、今後どうキャリアアップをしていくべきか、ちょうど思い悩んでいた時期でした。仕事の質は上げてきている、だとすれば次は職位が上がればいいのか、というとそれも違うのではないか。私は役職が欲しくて頑張ってきたわけではなく、仕事の成果がまずあって、役職は結果として後からついてくるものだと思っていました。

そのように、何となくモヤモヤしていた日々の中での妊娠でした。育児をしながら仕事をするという新たなチャレンジに、何か変化が待っているかも知れない……そんな期待も感じていました。


これからの自分に生かせる学びを。産休ギリギリまで参加した社外研修。


次の目標が定まらないまま、産休に入る日が徐々に近づいていました。そんな時に参加したのが、女性活躍推進施策の一環として行われた階層別研修でした。半年にわたる社外研修で、リーダーシップに関する読書、コーチングを学ぶ動画視聴、異業種の方とのグループワークを通して、これまでの仕事で経験したことを言語化し、体系的に学ぶことができたのです。

特にチームビルディングの講義では、チームメンバーの力を最大限引き出すために、気持ちの良い環境を作ることが大事なのだと改めて気づかされました。ありがとうの気持ちを出し惜しみせず、きちんと言葉にする。基本的なことなのについ見過ごしがちなことを、これからの仕事に生かしたいと思いました。社外研修での学びは、今後の自分を思い描く貴重なきっかけになりました。



母親として、働く女性として、自立したいという思いで復職へ。


復職にあたっては、解放感と仕事を通して社会と再び関わることができるという嬉しさでいっぱいでした。もちろん子どもはかけがえのない愛おしい存在ではあるものの、子育てや家事だけをしているのは、自分が自分じゃないようで……。仕事をしている私も“自分らしさ”なんじゃないのかな、と。気持ちに余裕が出てきたからかもしれませんが、すべてを夫に頼るのではなく、自分の裁量を生かして経済的に自立していたいという気持ちが強くなっていました。


育児両立支援制度を利用しながら、奮闘する日々。


正直、いまだに仕事と育児の両立は大変で、常にドタバタしています。育休からの復職後すぐの頃は、退社してからダッシュして保育園までお迎えに行くこともありました。そんな時、看護休暇などの育児両立支援制度のアドバイスをくれたのが、私と同じようにお子さんを育てている女性の先輩でした。「業務も、今日が無理なら明日やればいいよ。自分を追い込まないでね」と声を掛けてくれて、気持ちがすごく楽になりました。

当社では、看護休暇以外にも在宅勤務中に育児を理由とした業務中断ができるので、子どもの時間に合わせて夕食を準備したい時などに活用しています。勤務スタイルも在宅勤務or出社勤務と自分の裁量に任せてもらえるので、大変ありがたいです。

また、夫は海外赴任時の同僚なのですが、私の仕事をよく理解してくれていて、同じく在宅勤務を活用しながら一緒に育児や家事をしてくれるので感謝しています。


看護休暇制度:子どもの看護(負傷・疾病の世話、予防接種や健康診断の受診)を目的として、年5日間(1日、半日および1時間単位)取得できる休暇のこと。


限られた時間を無駄にしない働き方へ。


仕事と育児を両立させる日々は、本当に子ども次第です。仕事をしているところに保育園から連絡が入ってきて、子どもが熱を出したからと、急いで迎えに行かなければならないことも。思い通りにいかないことが多々ある中で、時間が有限だという意識がより強くなりました。物事を後回しにしていると、日々の業務にどんどん埋もれていってしまうため、優先順位をつけながら対応するようにしています。私の場合はToDoリストをメモ書きして、毎日の業務に入る前に確認します。一つ作業をこなすごとに、次は何をやればいいのだろう?と考える時間がもったいないですからね。

ただ、オンオフの切り替えはまだうまくできていない気がしています。ずっと仕事中心に生活が回っていたような人間なので、家事をしている間も常に頭の片隅に仕事があるような……。気がつくと台所に立ってメールを出さなきゃとか考えてしまうほどなので、今は子どもが保育園から帰ってきた時を切り替えのタイミングにするように心掛けています。


言葉にすることの大切さを、自分から発信していきたい。


今、こうして自分のペースで働けるのは、多くの方々にサポートしていただいているからこそ。だから今度は、自分が周りのみんなに返していきたいと思います。私のように育児をしている場合は大変さが理解されやすいですが、人それぞれに異なる事情があると思います。その人なりの事情をできる限り理解し、職場のメンバー同士がお互いに配慮し合えるような、配慮する輪を広げていきたいです。

人それぞれに抱えている事情は目に見えないことが多いものです。だからこそ、配慮して欲しいことは発信することが大切だと思います。ただ、周囲に気を遣いすぎて発信できない人もいるのではないかな、と。そんな人たちが自分から言葉にしやすいように、まずは私から率先して発信していきたいです。

そして、これからは将来のキャリアについても、もっと向き合っていきたい。イギリスやドイツでの海外赴任では、自分にやれることがまだまだあったのではないかと思っています。悔いを残さないよう、いつかもう一度海外赴任することを目標に、自分自身を成長させていきたいです。

*所属・職位は取材当時の情報です。