JVCケンウッドグループでは、調達から販売までサプライチェーン全般における全ての活動において、製品の品質と安全性の向上に取り組むとともに、販売後のカスタマーサポートにおいても積極的な取り組みを進めています。
お客さまに驚きと感動をもって受け入れられる高品質※の商品・サービスの提供に努めます。
※「高品質」とは、以下を意味します。
JVCケンウッドグループは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」の実現に向けて、「品質理念」「品質方針」を軸とした全社品質マネジメント体制を構築しています。各事業体や関連部署の相互連携をベースとした品質課題解決、設計、調達、製造のそれぞれの業務領域における製品品質向上のための専門的アプローチ等、グループ一体となった取り組みを行っています。
JVCケンウッドグループでは、半年に1度、全社品質会議を開催しています。議長である社長(CEO)のもとで、執行役員、事業責任者を含むグループ全社の品質管理関係者が参画し、全ての事業分野の品質状況を共有し、品質課題解決に向けた迅速な意思決定を行っています。また、全社品質会議で決定された方針、施策を具現化すべく、全事業体の品質保証責任者で構成される品質責任者会議で、具体的な品質活動を決定し、必要に応じてワーキンググループ、プロジェクト、分科会等の品質課題解決組織を結成し、課題を解決しています。
全社品質保証運営体制図
全社品質会議の様子
各事業体の設計部門は、商品化設計プロセスの各段階において、品質・製品安全確保のための手法および確認手段を設け、各確認手続きの確実な実施に向け関連部門と連携した運営体制を整えています。設計開始時には、先行機種におけるお客さまのご意見等から、品質上の問題・課題を明確にするとともに、利用できる新規技術/新規部品を確認し、新機種の品質規格を立案します。この品質規格を着実に実現できているかを商品化プロセスの各段階で有資格者が確認し、必要に応じて修正を行うことで、CS(顧客満足)向上とともに品質問題を未然に防止する体制で新商品開発を行っています。製品評価の段階では、さまざまな試験設備を駆使し、あらゆる形態の使用を想定した耐久性確認を含む製品評価を行っています。
また、従来、人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚など)を用いて製品の品質を判定する官能検査を実施していましたが、AIを活用することで、より精度の高い自動評価を行うなど、より高度な製品評価に向けて、評価技術の開発にも積極的に取り組んでいます。
環境試験装置
X線分析装置
温湿度・振動複合試験装置
電波暗室
一つの製品は多数の部品の組み合わせで完成されます。このため、部品一つ一つの品質が確保できていなければ、製品自体の品質も確保できません。JVCケンウッドグループでは、これら部品の品質を確保するために必要な確認事項をまとめたQAMV(Quality Assurance Manual for Vendors 取引先品質保証マニュアル)を全てのお取引先に配布しています。このQAMVに定めた事項を適切に実施していくために、お取引先の品質管理責任者を対象としたQAMVの研修を開催しています。また、毎年お取引先の品質状況評価を実施しており、品質に問題があるお取引先に対しては、現場監査の実施や改善計画を策定・実行していくなど、品質確保に向けてお取引先と連携した取り組みを行っています。
生産工場でのQAMV研修の様子
製品品質向上の要は、製品品質に携わる“人”と位置付けています。JVCケンウッドグループでは、職種、職歴、階層別に、品質に関する必要知識・能力をガイドラインとして定めており、このガイドラインに準じた教育・訓練・研修を定期的に実施しています。2022年度は全社品質研修として21研修を開催し、計488名の従業員に対し、品質知識・スキルの向上を図りました。各事業体でも必要な品質研修を適時実施しています。
また、日頃の品質向上に向けた活動を全社で競い合う“品質改善コンテスト”を定期的に開催することで、品質技術の高位平準化を図っています。この品質改善コンテストに応募された品質活動事例の中から、厳正な審査を経て優秀事例が決定され、優秀事例は品質強調月間に表彰が行われます。
ソフトウェア評価研修
品質改善コンテスト 優秀賞受賞メンバー
JVCケンウッドグループに共通する商品化における設計の標準プロセスを定め、商品化計画のプロセスやドキュメント様式、実行事項、用語等の共通化を通じ、品質の向上のみならずコストの削減、開発日程の短縮を図っています。事業所ごとに年度品質目標を設定し、方針管理から企画・開発、監査・監視までのPDCA(Plan / Do / Check / Act)サイクルを回すことで、製品品質の改善に努めています。
3Dプリンターを活用した少量多品種製品の一体造形により、部品点数や組み立て工数を削減するとともに、品質維持ならびに品質向上を試みています。
3Dプリンターの利用は、製品の軽量化を可能にします。また、造形用CADデータを保存するだけで、時間と場所に縛られず造形ができるため、金型や在庫、管理場所が不要になりコスト削減にもつながっています。
JVCケンウッドグループは、お客さまへ「安心・安全」な製品・サービスをお届けするため、「製品安全に関する基本方針」のもと、本社の製品安全管理部門を中心に関連部署が連携しながら、製品安全に係るリスク低減や速やかな改善措置の実施に取り組んでいます。
具体的には、製品の開発段階において、使用環境を想定した製品安全に関するリスクアセスメント等を行い、お客さまに重大な事故(死亡事故や火災等)が発生することのないよう、未然防止に取り組んでいます。また、万が一お客さまやその他のステークホルダーから製品安全に関する情報を入手した場合、直ちに事実確認と原因究明を行っています。潜在的な課題も含め、安全上の問題が認識された場合は、当該製品の回収等危害の発生・拡大の防止措置を講じ、適切な手段で迅速にお客さまや関係者へ情報開示を行っています。
製品事故発生時の対応フローチャート
製品がインターネットや情報機器と接続され、製品のネットワーク化が進み、個人情報などの漏えいやデータの改ざんまたは破壊、および製品の乗っ取りなどが生じる危険性が増す中、製品・サービスのセキュリティ強化は非常に重要と考えており、また強く要望もされています。
JVCケンウッドグループは、「製品セキュリティに関する基本方針」に基づき、法令遵守に努めています。
また、外部専門機関や研究者、個人等から広くセキュリティ情報を収集し、製品セキュリティに関する責任者・対応組織を任命し、各事業部と連携し対応していく体制を構築しています。
収集したセキュリティ情報に基づき、製品担当組織は、製品セキュリティ責任者の監督のもと、危険性の高い製品の調査を行うとともに、製品セキュリティの観点からお客さまに与える潜在的な影響に応じた適切な対策を講じます。
また、お客さまに安心してお使いいただける製品をお届けできるよう、製品企画の段階から想定される脅威とリスクを評価し、製品に対策機能を施すだけでなく、製品セキュリティ脆弱性検出ツールによる出荷前検査を実施するなど、製品の企画から出荷、廃棄までを含む一連のライフサイクルを考慮したセキュリティ対応の取り組みを導入しています。製品セキュリティ確保に関する社内ルールの制定と継続的な社内教育を実施することで、製品セキュリティの取り組みを一層強化していきます。
当社製品について製品の重大な脆弱性が発覚したときには、法令および産業界のガイドラインや慣習に基づき迅速に所轄官庁・関係機関に報告を行うとともに、お客さまへの情報提供を行っていきます。
JVCケンウッドグループが製造・販売する製品の製品セキュリティに関する方針
JVCケンウッドグループでは品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」の認証を取得しております。お客さまのニーズに沿ったより高品質な製品・サービスの提供と顧客満足の向上を目指し、日々事業活動に取り組んでまいります。
国名 | 拠点/分野/事業部 | ||
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日本 | 株式会社JVCケンウッド | モビリティ&テレマティクスサービス分野 | アフターマーケット事業部 |
OEM事業部 | |||
セーフティ&セキュリティ分野 | ヘルスケア事業部 | ||
無線システム事業部 | |||
エンタテインメント ソリューションズ分野 | メディア事業部 | ||
JVCケンウッド山形 | |||
JVCケンウッド長野 | |||
JVCケンウッド長岡 | |||
JVCケンウッド・クリエイティブメディア | |||
JVCケンウッド・公共産業システム | |||
JVCケンウッド・サービス | |||
マレーシア | JVCKENWOOD Electronics Malaysia Sdn. Bhd. | ||
タイ | JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd. | ||
インドネシア | PT JVCKENWOOD Electronics Indonesia | ||
シンガポール | JVCKENWOOD Technologies Singapore Pte. Ltd. |
注:上記表中の各拠点/分野/事業部における主要生産拠点について、認証を取得しています。