【JVCKENWOOD NEWS】
米中貿易摩擦を発端として、為替の世界では安全資産といわれる日本円が買われて円高の傾向が顕著になってきました。1991年から本格的に使用されるようになったユーロの台頭、日本円更には経済成長著しい中国の人民元等が国際貿易通貨決済においてシェアを拡大してきました。
しかし、基軸通貨としての米ドルの地位は堅固であり、BIS(国際決済銀行)によると通貨別取引高のシェア(2016年4月時点)は、USドル:43.8%、ユーロ15.6%、日本円10.8%、英国ポンド6.4%、豪ドル3.5%、スイスフラン2.6%、カナダドル2.4%で中国元はその他15%の一部となっています。
さて、世界で最も流通する米ドル(Dollar)に加え、オーストラリア、カナダ他多くの国で通貨単位としてドル(Dollar)が使用されていますが、その起源については諸説ありますが、有力な説を以下に説明します。
ドル(Dollar)の由来は神聖ローマ帝国の領邦国家などで発行された「ターラー(Thaler)」銀貨といわれています。
15世紀終りから16世紀初頭にかけて、現在のドイツとチェコの 国境地帯の山中に大規模な銀山が発見されました。その中に「聖ヨアヒムスタール(Joachimsthal)」と呼ばれる巨大な銀山がありました。「聖ヨハネの谷」という意味で、現代ドイツ語の「谷」はTalと綴りますが、昔はThalと綴ったそうです。
1519年に直径約40mm、重さ約30gの「ヨアヒムスターレル」と呼ばれる銀貨が製造され、略されて「ターレル」と称されたそうです。これが発展し、オランダでは 「ダールデル(Daalder)」またスウェーデンでは「ダーレル(Daler)」と呼ばれるようになりました。
オランダは16~17世紀に通商で栄え、欧州の覇権国家となり米国東海岸に植民で進出し、ニューアムステルダムを構築しました。この地域では、当然オランダ版ターレル銀貨が流通するようになりました。その後、英蘭戦争を経てニューアムステルダムを含む北米のオランダ植民地は英国領となり、ニューアムステルダムはニューヨークと改称されました。
この間、スペインは南米の植民地から莫大な富を獲得し、本国スペインのみならずメキシコなどでターレル銀貨と同等品質のレアル銀貨の製造を行い、これが欧州や南北米州では、「スペインドル(Dollar)」として流通しました。
英領北米13州で流通していた「スペインドル」を基に、アメリカ合衆国として独立した際、「ドル(Dollar)」が新たな通貨となりました。なお、19世紀前半までは、「スペインドル(Dollar)」も米国で法定通貨であったそうです。
ドルマーク「$」(本来は縦線2本)の起源については、諸説あります。「ヘラクレスの柱(ジブラルタル海峡の両岸に対峙する岩山)」を象徴した2本の柱と、それに巻き付くリボンという説が有力なようですが、私は単純にSilver(銀貨)の S に2本の柱という考え方との融合ではないかと思います。
皆さんはどう思われますか?
スペインドルに描かれたヘラクレスの柱
写真引用:フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia) 』
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ターレル銀貨
写真引用:フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia) 』