【JVCKENWOOD NEWS】
米国大統領選挙まで余すところ約3週間となり、連日さまざまな報道が飛び交っています。恒例の大統領候補による論戦は「史上最悪」と酷評されるほど、節度のない中傷・非難合戦に終始しました。
連邦最高裁判所判事任命、COVID-19感染拡大、医療保険体制、人種差別、経済対策、郵便投票、中国問題など論点は数多くありますが、中でも日本国民として実感が湧きづらい争点が連邦最高裁判事の任命問題です。以下に日米の司法の仕組み概要を最高裁判所中心に整理してみました。
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米国 |
日本 |
裁判所組織の構造 |
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最高裁の担当業務 |
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最高裁判事の人数と任期 |
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最高裁判事の任命者 |
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その他 |
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先月、RBGと呼ばれ多くの米国民に慕われていたルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)米最高裁判所判事が亡くなり(享年87歳)、米国連邦最高裁判所の判事は現在8名となっています。RBGは史上2人目の女性最高裁判事でリベラル派の英雄的な判事でした。トランプ政権は3日後その後任として、48歳のエイミー・コーニー・バレット(Amy Coney Barrett)女史を指名しました。
RBGの後任人事が米国大統領選挙の重要な争点の一つとなっています。その背景ですが、現在世論調査で後手を引いているトランプ大統領の戦略として、僅差での敗北となった場合に最終判断を連邦最高裁判所に持込む可能性があるためです。RBGが亡くなった今、判事構成は保守派5名、リベラル派3名となっていますが、現時点で保守派を1名増やしておくと、保守派6名:リベラル派3名となり万が一、保守派判事の一人がバイデン陣営を支持しても勝てるという作戦です。一方、最高裁判断の前にはいくつかのプロセスがあります。
いずれにせよ、かような事態になると連邦最高裁判所の判断が極めて重要になりますので、RBGの後任人事が大きな争点となっているのです。トランプ大統領は、大統領任期が4年であり任期内は自分が任命できる。一方、バイデン候補は残りの任期が3ヶ月となった今、新大統領が任命すべきという主張を行っています。オバマ大統領時代に同様のことがあり、当時の共和党が現在の民主党の主張で後任人事を沙汰止みにした経緯もあります。
日本では最高裁判所判事の名前を一人でも言える人は非常に少ないと思います。恥ずかしながら私も一人も覚えていません。一方、米国では任期が終身ということもあるのでしょうが、多くの人たちが名前を覚えているとのことですので驚きです。いずれにせよ、極めて影響の大きい米国大統領選挙動向から目を離せません。
なお、新型コロナ感染など何らかの事態で、現職大統領が職務を遂行できなくなった場合の大統領職の継承順位は、憲法により次のように17位まで規定されています。
1位:副大統領(Vice President) ⇒ 2位:下院議長(Speaker of the House) ⇒ 3位:上院次席(President pro tempore of the Senate) ⇒ 4位:国務長官(Secretary of State) ⇒ 5位:財務長官(Secretary of the Treasury) ⇒ 6位:国防長官(Secretary of Defense) ⇒ 7位:司法長官(Attorney General) ・・・17位:国土安全保障長官(Secretary of Homeland Security)
現状、2位を除いて全員共和党となっています(国防長官と国土安全保障長官は中道の見方もあります)。
上述のごとく新大統領が就任した際の副大統領は、大統領が指名し上下両院の承認で就任します。この場合も、新大統領が共和党であれば上院次席が、民主党の場合には下院議長が就任することが多いようです。
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ルース・ベイダー・ギンズバーグ
元連邦最高裁判事
引用:フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia) 』