JVCケンウッドが追求する「目の前にステージが広がるような臨場感」。その理想的な音響体験を実現するために生み出されたのが、原音再生技術です。この技術は、徹底した基礎音質の作り込みを土台に、音響空間の緻密な調整を重ねることで、まるでアーティストが目の前で演奏しているかのようなリアルなサウンドを届けます。ビクタースタジオのメンバーはアーティストの想いを深く理解し、その感性を音作りに反映。一方、長年にわたり音質の方向性を共有し、豊富なノウハウを蓄積してきた車載音響機器やスピーカーの設計者たちが、その想いを形にします。両者の情熱と技術が融合することで、JVCケンウッドならではの感動的な音世界が生まれています。
音作りの基本は音質技術と音響技術から成り立ちます。それぞれ、基本性能の確保や試聴による音質対策は当社の音質技術となり、アナログではスピーカーの基礎音質の作り込み、信号処理では基板内配置や素子選定等により臨場感のある音響空間を実現しています。又、DSP(Digital Signal Processor)処理による車室内での補正が音響技術となります。
音質技術の、信号処理においては高音質な部品の採用や、基板パターンのチューニング、共振を抑えるシャーシ構造などのさまざまな対策を、スピーカーにおいては数値化できる領域において音質設計、測定・解析評価、試聴評価といった工程を厳密に繰り返し実施することで、JVCケンウッドが理想とする音を実現しています。
車載音質技術
音響技術は、CDや圧縮音源で失われがちな高周波成分を補うだけでなく、車室内という特有の環境にも対応しています。車室内では、ガラスやシートによる音の反射や吸音、複雑な周波数・位相特性のばらつき、左右非対称のスピーカー配置、さらにはロードノイズや風切り音、エンジン音といった様々なノイズが原音の再生を妨げます。JVCケンウッドでは、こうした数々の不利な条件を補うために、DSPを使用した音響技術で、理想の音響空間を創出しています。
■複雑な車室内周波数特性、位相特性
ガラス・シート等の反射・吸音により
小さい室内容積で乱反射や定在波が複雑に発生
■ロードノイズ、風切り音、エンジン音等のノイズ
車両走行における様々なノイズにより
オーディオ信号がマスクされる
■試聴位置オフセット
左右非対称のSPEAKER位置により
音像が正面にこない
■CD、圧縮音源の高周波欠落
CDや圧縮音源は制限されたデジタル
フォーマットにより変質・劣化している
車載音響における課題