当社では、デジタル信号処理(DSP: Digital Signal Processing)とデュアルマイク構成を組み合わせることで、サイレンやエンジン音、突発的な騒音など多様なノイズを高精度に識別・抑制するノイズキャンセリングシステムを開発しています。
環境に応じた自動調整機能や柔軟なカスタマイズ性も備えており、工事現場や災害対応など多様な現場での活用が進むとともに、聞こえやすさへのこだわりが高く評価されています。
DSP及びデュアルマイク処理によるノイズキャンセリングシステム
当社無線機におけるノイズキャンセル技術の中核は、前面の音声用マイクと背面のノイズ用マイクから得られる信号をDSPチップ上で解析する仕組みです。DSPチップでは音声とノイズを周波数領域で分離し、ノイズ成分のみを打ち消す信号を生成します。本技術により、騒音環境でも音声だけをクリアに抽出でき、最大で20~30dBのノイズ低減効果が得られます。さらに、音声の自然さを保ちながら、人工的なデジタルノイズを抑える工夫も施されています。
消防や救急現場で頻繁に発生するサイレン音やパスアラームなどの特殊ノイズは、従来技術では除去が困難でした。本技術では、スペクトル解析によりこれらの音を自動識別し、強力に抑制します。特に、音声と重なる周波数帯域にあるノイズでも、特徴的な周波数分布をもとに高精度で検出・除去が可能です。これにより、緊急現場でも音声が明瞭に伝わり、業務の安全性と効率が向上します。
ノイズの有無や種類に応じて、ノイズキャンセルの強度を自動調整する機能により、静かな環境では処理を緩和し、音質の劣化を防ぎます。また、ユーザーの使用環境に応じて、ノイズ抑制レベルやマイク感度などを細かく設定できるカスタマイズ機能も充実しています。これにより、工事現場から医療現場まで、さまざまなシーンで最適な音声通信が可能になります。