堅牢性設計技術は、警察官や消防士といった公共安全を守るプロフェッショナルが、緊急時の対応や過酷な環境下でも確実な通信を実現するために開発されました。従来機種にて発生した問題の真因を見極め、構造変更や材料変更等の改良を繰り返し行うことで、耐衝撃性・防水性を向上させた基本プラットフォームを構築しております。
最新の携帯型無線機VP8000では、MIL-STD-810の米軍規格に準拠した耐久性と、IP67/68の防水・防塵性能を備え、過酷な環境下でも信頼性の高い通信を提供しています。
消防・警察における当社無線機の使用イメージ
P25市場要求である上部が広がるフレア形状を維持しながら、上面以外の意匠部分をすべてメインキャビネット側で一体化し、一つの成型部品とすることで、側面からの落下時にTOPキャビネット部(下図参照)に衝撃が直接伝わらないような構造とし、落下などの衝撃に対する強度を向上しています。
側面からの落下イメージ
意匠部とメインキャビネット部の一体化
衝撃を受けやすい上部の防水ゴム部品を、上下のダイカスト部品※1でしっかりと挟み込む構造とすることで、防水性能と本体の強度を高めています。従来機種では、落下などの衝撃が繰り返されることで部品のズレが生じ、防水性能の低下が懸念されていましたが、最新機種では部品が安定して保持されるため、衝撃後も高い防水性能を維持します。
※1 金型に溶かした金属を高圧で注入して成形された高精度な金属部品
ダイカスト部品による防水ゴム部品保持構造
アンテナの根元にあるアンテナコネクタ(無線機との接続部品)に使われる金属シェルの素材を見直し、使用温度環境が-30~+60℃でも割れにくい材質に変更することで、特に低温時の落下強度が向上しています。これにより、アンテナ側からの落下時にアンテナコネクタへ大きな衝撃が加わった場合の破損リスクを大幅に低減しています。
落下衝撃に強いアンテナコネクタ部品