JVCケンウッドのウッドコーンスピーカーは、木材を使用した振動板を特徴とするスピーカーです。この技術は、楽器のように自然で温かみのある音を再現することを目指しています。ウッドコーンスピーカーの振動板には、無垢の木材(カバ)を使用。木材は音の伝播速度が速く、余分な振動を吸収する特性があります。また、木材特有の木目による異方性の自然な音響特性を活かし、共振を低減し、滑らかで澄んだ自然な音を提供します。
ウッドコーンスピーカー
「スピーカーは、楽器でありたい。」という強い想いから、ウッドコーンスピーカーは生まれました。ヴァイオリンやギターなど木でつくられた楽器の美しい響きに感銘を受け、「いつか木のユニットを持つスピーカーをつくってみたい。」というビクターの技術者の想いより、木の素材を生かすための技術を取り入れました。
理想的な振動板の素材とは、音の伝わり(伝搬速度)が速く、余分な振動を吸収(内部損失)できる素材です。伝搬速度は速い程、細かい音まで再現でき、内部損失は大きい程、余計な残響が残らない澄んだ音になります。
ウッドコーンスピーカーの木材(カバ)は音の伝播速度が速く、同じような伝搬速度をもつ素材の中でも内部損失が大きい特徴があります。これにより、緻密な澄んだ音色を実現しています。
美しい音色を奏でる「木」の素材
ビクターのウッドコーンスピーカーの振動板は、割れやすさや湿度・温度による変形といった課題に対して、特別な加工技術を用いています。日本酒を用いた独自の木材軟化技術により、薄い木材シートのプレス成型時の割れを克服しました。また湿度や温度の変化に対しても、独自の木材安定化技術により反りや変形を防ぐ事に成功しました。これらの独自技術により耐久性を保ちながら、自然で温かみのある音を提供することができます。
独自のウッドコーン振動板加工技術
アーティストが曲に込めた想いを、そのまま届けたい。基本理念「原音探究」を形にするべく、ビクタースタジオのエンジニアと連携し、ウッドコーンの最終チューニングを実現しました。アーティストの歌声や演奏に直接触れ、録音しマスターテープを作るスタジオエンジニアにとっても、マスターテープの音を忠実に再現できる家庭用オーディオの誕生は悲願でした。木の響きの可能性を追求する技術者と、マスターテープの音を知り尽くした録音エンジニア。両者が厳しいチューニングを繰り返し、ウッドコーンの真価を極限まで高めました。
録音エンジニアと共に、音を磨いたウッドコーン