JVCケンウッドグループでは、2030年に目指すべき姿を見据えて、「安心・安全への取り組み」というマテリアリティを特定しています。モビリティ&テレマティクスサービス分野では、カーナビゲーションやドライブレコーダーなどの製品をもって、安心・安全に貢献しています。
貢献するSDGs
日本における交通事故は、現在年間で約30万件発生しており、死者・重傷者数は計約3万人となっています※1。交通事故および死者・重傷者数は減少傾向ではありますが、あおり運転、児童や高齢者を巻き込んだ交通事故防止に向けた対策は喫緊の課題です。
また、自動車業界は近年、脱炭素化に向けた抜本的な改革が求められていますが、現在街中を走行している自動車が事故や交通渋滞を避け、効率的に走行しGHG(温室効果ガス)排出量を削減することも重要な取り組みの一つです。
JVCケンウッドグループが重視しているSDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」や、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」では、交通事故の半減や交通の安全性改善が求められています。また、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」では、文字通りGHG排出量削減に向けた具体的な対策が求められています。
交通事故や交通渋滞のない、安心・安全な自動車社会の実現は、JVCケンウッドグループにとっても重要な取り組むべき課題であると認識しています。
AVナビゲーションシステム「彩速ナビ」シリーズなどのカーナビゲーションおよびディスプレイオーディオでは、高精度なナビゲーション機能、画面の鮮やかさや視認性を考慮した高精細&高視野角パネルを搭載することにより、ナビゲーション情報の確実な認知につなげています。また、タッチパネル操作時の高速レスポンス性能、使いやすい操作体系といったユーザーインターフェースの向上、住宅地などの速度規制エリアの表示や逆走時の警告案内といった注意喚起を促す運転支援機能などの充実により、さまざまな運転状況下におけるドライバーの疲労を軽減し、交通事故の発生抑制・抑止に貢献しています。
このような機能を実現する技術力や商品力は長年アフターマーケット事業で磨いてきました。加えて業界トップクラスのシェア実績が自動車メーカーから評価され、OEM事業において多くの日系自動車メーカーだけでなく、ダイムラー・トラック・ノース・アメリカ社などの海外自動車メーカーへの採用も進んでいます。
マテリアリティの解決に向けては、取り組みテーマとKPIを以下のように定め、目標達成に向けた進捗管理を行いながら、取り組みを進めています。
取り組みテーマ | 目標/実績 | KPI | |||
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2023年度 | 2024年度 | 2023~2025年度(累計) | 2023~2030年度(累計) | ||
安全運転を支援する情報や渋滞情報の提供によって、交通事故の発生の抑制・抑止に貢献する | 目標 | カーナビゲーションおよびディスプレイオーディオの販売台数 | |||
150万台 | 130万台 | 430万台 | 1,300万台 | ||
実績 | 138万台 |
カーナビゲーション/ディスプレイオーディオ
詳細は下記リンク先をご覧ください。
当社のドライブレコーダーは、事故発生時やあおり運転に対する自己防衛に役立つ記録機能をはじめ、さまざまな運転支援機能を通じて交通事故の発生の抑制・抑止に貢献しています。
例えば、交通事故の発生を抑制する記録機能として、後方からの急接近や蛇行運転を自動で検知して録画を開始する「AIセンシング」や、安全運転を支援する機能としては、前方衝突や車線逸脱などに対する警告機能などがあります。ほかにも、デジタルルームミラー型ドライブレコーダーは、荷物による視界領域の減少や駐車時の安全確認不足などによる事故を抑制するために後方の視野角を広げる機能や、バック駐車をサポートする機能などを備えています。
また、損害保険会社の自動車保険サービス向けに、通信型ドライブレコーダーを提供しています。交通事故発生時には、「自動通報」により迅速かつ的確な初期対応を可能とするほか、多重交通事故の抑制にも貢献しています。また、重大事故につながる二輪車や船舶などより幅広いモビリティライフへ適応する防水・防塵機能搭載商品の提供を開始しました。
国内のアフターマーケット市場では、業界トップクラスのシェアを獲得しており、その高い評価や商品力を生かして、OEM事業においても多くの日系自動車メーカーに採用されています。通信型ドライブレコーダーは、2018年にMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の自動車保険サービスに初めて採用されて以来、同グループの提供する自動車保険サービスに継続的に採用され、事故率低下への貢献などについて高い評価を得ています。マテリアリティの解決に向けては、取り組みテーマとKPIを以下のように定め、目標達成に向けた進捗管理を行いながら、取り組みを進めています。
取り組みテーマ | KPI | ||||
---|---|---|---|---|---|
目標/実績 | 2023年度 | 2024年度 | 2023~2025年度 | 2023~2030年度 | |
ドライブレコーダーの普及拡大によって、交通事故の抑制や、安全運転支援に貢献する | 目標 | ドライブレコーダーの販売台数 | |||
130万台 | 103万台 | 300万台(累計) | 800万台(累計) | ||
実績 | 106万台 |
ドライブレコーダー
防水・防塵機能搭載ドライブレコーダー
詳細は下記リンク先をご覧ください。
JVCケンウッドは、運転者(ドライバー)を抱える事業者に向けて、記録・通信型アルコール検知器「CAX-AD300」を発売しました。近年、飲酒運転による痛ましい交通事故などを背景に、道路交通法の施行規則の改正が段階的に実施されています。それに伴い、2022年4月から事業者には、安全運転管理者による運転者の運転前後の酒気帯びの有無の確認と記録の保存が義務化され、2023年12月からは、アルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化されました。本製品はスマートフォンと連携し、測定結果や情報をPCへ自動送付し、PC用管理ソフトウェアで履歴として保存することができ、クラウド型の点呼・勤怠システムとの連携が可能です。本製品の提供を通して、酒酔い・酒気帯び運転の抑制・抑止に一層努め、交通事故の低減に貢献してまいります。
また、本製品シリーズは、リサイクルユースを想定し環境負荷低減への取り組みを進めています。
通信型アルコール検知器の仕組み
※1 警察庁「令和5年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」(令和6年3月7日公開)