貢献するSDGs
JVCケンウッドグループでは、2030年に目指すべき姿を見据えて、「安心・安全への取り組み」というマテリアリティを特定しています。セーフティ&セキュリティ分野では、業務用無線システムや非常・業務用放送設備、医用モニターなどの製品をもって、安心・安全に貢献しています。
セーフティ&セキュリティ分野では、安心・安全なまちづくりのために、業種や用途に合わせた製品を多数展開し、幅広い流通チャネルを生かしたトータルソリューション事業を展開しています。
JVCケンウッドの無線システム事業では、日常生活での安心・安全に加え、大規模な自然災害発生時の初動対応などにおいて、人命や人々の暮らしの安心・安全確保が必要となる、警察、消防、救急などの公共安全市場向けの業務用無線システムの提供に注力しています。
当社の業務用無線システムは、既存の携帯電話のインフラに頼らない独自の通信網を構築でき、正確で迅速な情報伝達ができるため、災害時の通信手段として、安心・安全なまちづくりに欠かせません。特に災害現場では、人命救助や二次被害防止などに一分一秒を争う正確な情報伝達が求められます。そうしたニーズに応えるため、当社の無線端末は、堅牢性や低遅延伝達性能を備え、中継機を介さず直接端末同士で通話ができるなど、あらゆる不測の環境下でも使えることを想定して設計されています。また、安心・安全な生活に直結する業務の遂行を支えるため、通信性能だけでなく、人間工学に基づいたデザインによる優れた操作性にも配慮しています。
なお、当社グループの無線システムは、警察・消防・救急などの公共安全市場だけでなく、公共事業(電気・水道・ガス事業者や公共交通機関など)や一般企業(ホテル、カジノリゾート、小売業など)といった民間市場においても幅広く採用されています。例えば、海外においては北米、南アフリカ、中国などの鉄道会社や、日本国内においては移動系防災行政無線などで導入されています。
長年にわたって培ってきた知見やノウハウを生かした高い品質と信頼性、お客さまのニーズや予算に応じた柔軟なシステム提案などが全世界で評価されています。今後は取り組みテーマとKPIを以下のように定め、さらなる安心・安全なまちづくりに貢献していきます。
取り組みテーマ | KPI |
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災害や事故などの現場や、非常時にも安定した通信手段を提供する | 業務用無線システムの販売台数 2023年度:120万台 2023~2025年度:400万台(累計) 2023~2030年度:1,200万台(累計) |
業務用無線システム
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JVCケンウッドでは、強みである「音響」技術の知見やノウハウを生かし、防災および減災のための製品・サービスとして、非常・業務用放送設備や避難誘導支援システムを展開しています。大規模オフィスビルやショッピングモール、工場はもちろん、地区防災を支える要の放送システムとして、多言語放送対応の非常・業務用放送設備の導入を推進することで、日本に滞在する外国人も含む人びとの安心・安全な生活に寄与しています。
最新機種の非常・業務用放送設備「EM-1500シリーズ」や「EM-K150シリーズ」では、音声警報メッセージを日本語と英語により放送することが可能です。また、「多言語対応CF(コンパクトフラッシュ)カード」に交換することで、3~4か国語(日本語、英語のほかに中国語と韓国語)に対応することが可能となり※、より多くの人びとに非常放送を届けることができます。また、避難誘導支援システムは、従来の非常用・業務用放送に加え、対象者に向けた映像・音声・通信によるメッセージの提供を可能にしています。
多言語放送対応の非常・業務用放送設備―ラック型
「EM-1500シリーズ」
多言語放送対応の非常・業務用放送設備―壁掛型
「EM-K150シリーズ」
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「車両ナンバー認証システム」は、カメラ映像から車両ナンバーを認証し、商業施設や事業所における車両の入場チェックを自動化します。同システムで入退場履歴を管理することで、受付や警備の業務省力化を実現します。また、施設内の入退場台数や滞留台数をリアルタイムに把握したり、要注意車両ナンバーを予め登録し、入退場を自動的に報知したりすることで、施設の安心で安全なマネジメントに活用することも可能です。
「車両ナンバー認証システム」構成図
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JVCケンウッドグループは、独自の画像および映像処理技術や光ディスク技術を生かし、ヘルスケア分野における製品の開発を行っています。医用モニターの高解像度化などを通じて、一人でも多くの人へ適切な医療サービスが届けられるよう、医療現場を支援しています。ヘルスケア事業は超高齢社会において、人びとの健やかな生活の実現を支える重要な事業であり、今後も現場のニーズに合わせた製品開発と市場投入を進めていきます。
近年、医用画像診断の現場において、医用機器の進化・多様化によりCTやMRIなどさまざまな医用画像データが取り扱われていることを受け、当社では高精細医用モニターを提供しています。
「CL-R813」は、当社製医用画像モニターとして最大となる32型のワイドな大画面領域と800万画素の高解像度表示を実現しています。このモニターは1画面に、高解像度のCTやX線透視画像を6枚同時に表示できるほか、ビューワやレポート、AIによる判定結果など、複数のアプリケーション画面の自由なレイアウトが可能です。その結果、読影時の視線移動が減少し、医師の作業効率向上や負担軽減にも貢献しています。
医用モニター「CL-R813」
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近年、医用画像診断の現場において、人手不足や長時間労働、働き方の多様化といった問題に対応するために、労働環境の改善や業務の効率化、在宅読影・サテライト読影室の導入など、働き方改革の取り組みが求められています。一方で、医療施設と同等の環境を在宅でも実現するためには、設備投資や読影環境の構築などが課題となり、在宅読影の導入は進んでいないのが実状です。そこで当社は、近年ニーズが増加している遠隔・在宅読影に対応した「CL-S301」を発売します。
「CL-S301」は、医用画像管理システムPACS(Picture Archiving and Communication System)に向けての医用画像表示モニターとしては、当社初のUSB Type-C(DisplayPort Alternate Mode)に対応した21.3型300万画素カラー液晶モニターです。本製品は、USB Type-Cケーブル1本で映像伝送と給電が可能であり、ノートPCやモバイル端末とスムーズに接続できます。これにより、従来必要だったACアダプタや複数のケーブルを持ち運ぶ必要がなくなり、配線が整理され、快適な作業スペースを確保することができます。また、KVMスイッチを搭載しており、1台のキーボードとマウスで複数のワークステーションを切り替えて操作でき、設備費用の削減とスペースの効率的利用が可能です。さらに、当社医用画像表示モニターのハイエンドモデルに搭載されている独自の読影サポート機能「ターボルミナンス」、および「ビジュアルポイントモード」のユーザビリティを強化し、業務効率化と働き方改革をサポートします。
医用モニター「CL-S301」
従来医用モニターとの接続方法比較
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※ 導入にあたっては、所轄の消防署の許可を得る必要あり。