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2026年9月18日更新
COOとしての使命
新中期経営計画「VISION2030」では、2030年度に到達すべき売上収益4,100億円以上、事業利益率9%以上、セーフティ&セキュリティ(S&S)分野の売上構成比35%以上をコミットメントとし、志として「めざす水準」である売上収益5,000億円以上、事業利益率10%以上、S&S分野の売上構成比50%以上が明確に示されました。COOとしての最大のミッションは、この「めざす水準」達成に向けて先頭に立って執行責任を全うし、企業価値向上を図ることです。
前中期経営計画「VISION2025」の3年間において当社は、事業ポートフォリオの見直しと成長分野への資源集中を進めることで、収益力の強化を実現してきました。しかしながら、その成果は一部の成長事業に支えられている側面もあり、全社としての実行力やバランスの取れた成長性が十分に確立されたとは言えない段階にあります。
「VISION2030」においては、これまで進めてきた戦略を単に継続するのではなく、成果に結び付けるためにも、各事業体において現場力の強化が必要です。そのためにはマネジメント改革による各種施策の実行管理(THESEUS*1活動)は効果的であり、目標達成に向けて自走できる組織へと変革していきます。
*1 2018年から無線システム事業部が取り組んでいるマネジメント改革プロジェクト名
事業戦略の方向性と重点領域
事業戦略の基本方針は、成長牽引事業である無線システム事業を盤石な事業へと確実に成長させるとともに、全事業体での収益力を改善し、稼ぐ力を向上させることです。一方で、「VISION2030」をスタートさせたところではありますが、無線システム事業を取り巻く外部環境においてさまざまなリスクを認識しています。成長戦略プロジェクトを立ち上げ、重点施策ごとにタスクフォースを編成し、成果創出を力強く推進します。
基本方針:無線システム事業を核に、全社の稼ぐ力を高める
| セーフティ& セキュリティ分野 | ●ミッション・クリティカルな公共安全市場における、信頼性の高い通信ソリューション提供と、顧客要求への柔軟な対応を強みとしたソリューション型ビジネスへのさらなる展開を加速 ●音声通信を主体としたナローバンド市場に加え、ブロードバンド活用によるデータや画像を扱うハイブリッド領域へ参入 ●国内業務用システム事業は、安定収益を稼ぐ事業体へ変革 |
|---|---|
| モビリティ& テレマティクスサービス分野 | ●製品提供型から、モビリティのライフタイム全体での体験を価値化する事業へのビジネスモデルの転換 ●顧客ニーズの変化を的確に捉えた、OEMビジネスにおける新たな成長機会の創出 |
| エンタテインメント ソリューションズ分野 | ●音楽配信やライブ市場の成長を追い風に、コンテンツ創出から体験価値提供までを一気通貫で展開し、収益機会の多層化と収益力強化を推進 ●高価格帯へのシフトも視野に入れた、メディア事業の収益改善と事業構造改革 ●一定の付加価値を生むブランドライセンスビジネスの活用 |
COO直下プロジェクトによる経営基盤の強化
これらの事業戦略を確実に実行していくため、経営基盤の強化としてCOO直下で2つの改革プロジェクトを推進しています。どちらもAIを活用した改革です。これらの取り組みは、単なるコスト削減や効率化ではなく、「価値創造の再現性を高めるための経営基盤強化」と位置付けています。
SCM改革プロジェクト
サプライチェーンの強靭化を推進します。ありたい棚卸資産の実現に向けて、SPIプロセス*2にAIを活用した需要予測に基づいた需給調整を取り入れ、最適な生産計画を組み立てることでS&OP経営*3の高度化を図り、P/LとC/Fの改善へつなげていきます。また、サプライチェーンにおける調達リスクや地政学リスクへの対応も強化していきます。
*2 Sales, Production, Inventory(販売・生産・在庫)を統合的に計画・管理するプロセス
*3 Sales and Operations Planning(販売・生産統合計画)を経営の意思決定の中心に据える経営手法
業務改革プロジェクト
AIドリブン経営への進化を推進します。データドリブンによる迅速な意思決定、そして徹底した業務効率改善を進め、全社的な収益改善へとつなげます。
「VISION2030」達成に向けた課題認識と今後の取り組み
「VISION2025」を通じて、無線システム事業が成長牽引事業として一定の進展を見せましたが、「VISION2030」達成に向けてはいくつかの課題もあります。
| 課題認識1 | 課題認識2 | 課題認識3 |
|---|---|---|
| 事業間での収益性や成長性のばらつき | 新たなビジネス領域の立ち上げ | 商品開発力の強化 |
●特定の事業に依存した収益・成長構造から脱却し、ROIC経営を意識した、全社としてバランスの取れた成長を実現 ●赤字事業のマイナスをゼロに | ●通信・映像・音響の領域でシナジーを発揮する ●設立20周年を迎える2028年度には、規模は小さくとも新ビジネスを実現 | ●商品開発プロセスに関わる高度な人材育成と開発チームの少数精鋭化 ●高効率なものづくりの実行 |
ここに挙げたのは、全社課題の一部に過ぎません。各部門にもさまざまな課題がありますが、それらをできない理由や言い訳にしても何も生まれません。変革の機会として捉え、果敢に取り組み、一つ一つ着実に解決していくことが重要です。全員が当事者意識を持って挑戦を続けることで、企業価値の向上と持続的な成長を実現していきます。
「VISION2030」達成に向けて
「VISION2030」の達成に向けての考え方や事業戦略方針、経営基盤の強化などについて説明してきましたが、全ての事業活動は、地域社会への貢献と企業価値向上につながり、企業理念である「感動と安心を世界の人々へ」に通じます。
「VISION2030」の実現は、全ての株主、従業員、取引先、顧客にとって価値あるものであり、次世代に継承していくべき道筋をつくることにつながります。COOとしてこの実現に向けて邁進するとともに、当社JVCケンウッドの存在意義をさらなる高みに持っていくことに貢献していきます。