3月1、2日に、高知県幡多郡黒潮町にて行われた東京工科大学による津波等避難ナビシステムの第二回実証実験において、当社が開発・販売しているワンセグ型エリア放送システムを提供・協力したことをお知らせします。同町は南海トラフ巨大地震により国内最大級の津波高が想定されている町のひとつです。

東京工科大学（所在地：東京都大田区、学長：軽部征夫）デザイン学部の板宮朋基助教と株式会社アイエスエム（本社：東京都目黒区、代表取締役：板宮憲一）は、津波等の災害発生時に刻々と変わる状況に応じて危険な進行方向を明示し、より安全な避難ルートを提示する「津波等避難ナビシステム“デジタル皆助ナビ”」を発明し、自治体や企業と連携して実用化を進めています。

黒潮町で行われた実証実験では、「津波等避難ナビシステム」において、携帯電話ネットワーク不通時におけるリアルタイム情報入手手段として当社のワンセグ型エリア放送システムを使用し、スマートフォンアプリ上の地図に表示された避難ルートとワンセグ型エリア放送内容の双方を参考情報とした避難行動検証が行われました。同実験において黒潮町内の3ヶ所（海岸付近、町役場、高台の避難場所）に当社製の機器を設置しました。

実験に使用したシステム概要

当社は、今回の実験を通じて、緊急時の運用リスク低減に向けた以下の課題検証を行い、システムの有効性を確認しました。

1. ネットワーク上に複数の制御PCを配置することで本部機能を分散させ、仮にシステムの一部が被災してもシステム内の機器制御及び放送を正常に維持すること。
2. 長距離無線ネットワークによる通信システムを構築し、地震等に起因する有線ネットワークの断線による放送停止リスクを回避すること。
3. 特別な知識やスキルを必要としない簡便な運用で生放送を行い、災害緊急時に現場担当者が最新情報を簡単かつ確実に配信できること。

当社は、今後も防災・減災に役立つシステムとして、ワンセグ型エリア放送の普及を目指します。

※機材・設置協力：黒潮町役場、IWKTV、ネスト・ウエストガーデン土佐、日本アンテナ株式会社、北陸電話工事株式会社、日本無線株式会社（敬称略、順不同）