水リスクが企業の事業活動に与える影響について、その把握と対策を講じることの重要性が高まっており、JVCケンウッドグループでは、水使用量について以下の目標を掲げています。
■水使用量削減
2022年度は水使用量を2019年度比で31%削減しました。2022年度は、海外生産工場JVCKENWOOD Electronics (Thailand)Co., Ltd.稼働終了や本社・横浜のビル建て替えなどの影響により、水使用量が減少しました。その一方で、JVCケンウッドグループでは定常的に水使用量を削減すべく、着々と削減に向けた取り組みを進めています。具体例として、排水の循環利用などの水のリサイクルに取り組んでいます(詳細は以下の「排水に関する取り組み」をご参照ください)。また、各法令に基づく水質分析、排水分析を実施しており、2022年度の重大な環境法規制違反に関する発生事案はありませんでした。
水使用量の推移(2019-2022年度)
水使用量(タイプ別)(2019-2022年度)
単位:t
タイプ |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|
上水道 |
163,858 |
137,286 | 147,896 | 147,871 |
工業用水 |
79,986 |
56,030 | 33,250 | 19,630 |
淡水の地下水 |
12,455 |
11,134 | 11,841 | 9,899 |
地上淡水(雨水) |
0 |
0 | 0 | 0 |
総使用量 | 256,299 | 204,450 | 192,987 | 177,400 |
注:集計対象範囲は「事業所別水使用量の推移」を参照
事業所別水使用量の推移(2019-2022年度)
単位:t
国内/海外 | 事業所名 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 本社・横浜事業所 | 19,841 |
15,365 | 16,579 | 7,759 | |
八王子事業所 | 23,364 |
16,534 | 17,304 | 15,251 | ||
白山事業所 | 8,766 |
5,443 | 5,726 | 5,404 | ||
久里浜事業所 | 13,774 |
12,361 | 13,001 | 11,820 | ||
横須賀事業所 | 4,253 |
2,947 | 3,067 | 2,990 | ||
JVCケンウッド山形 | 4,147 |
3,341 | 3,147 | 3,327 | ||
JVCケンウッド長野 | 4,554 |
3,958 | 3,720 | 6,419 | ||
JVCケンウッド長岡 | 11,554 |
11,791 | 10,460 | 10,139 | ||
JVCケンウッド・クリエイティブメディア | 9,235 |
9,311 | 9,318 | 9,404 | ||
JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント | 3,931 |
3,027 | 3,115 | 2,852 | ||
JVCケンウッド・ビデオテック | 851 | 567 | 597 | 495 | ||
JVCケンウッド・デザイン | 0 | 0 |
0 | 0 | ||
マレーシア | JVCKENWOOD Electronics Malaysia Sdn. Bhd. | 38,303 |
33,965 | 27,300 | 31,860 | |
タイ | JVCKENWOOD Electronics (Thailand) Co., Ltd. | 11,577 |
8,266 | 7,267 | - | |
JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd. | 24,278 |
16,175 | 15,416 | 19,630 | ||
インドネシア | PT JVCKENWOOD Electronics Indonesia | 55,708 |
39,855 | 33,250 | 29,789 | |
中華人民共和国 | Shanghai Kenwood Electronics Co., Ltd. | 18,504 |
19,697 | 21,977 | 18,535 | |
シンガポール | JVCKENWOOD Technologies Singapore Pte. Ltd. | 3,659 |
1,846 | 1,743 | 1,726 | |
総合計 | 256,299 | 204,450 | 192,987 | 177,400 |
JVCケンウッドグループは、水の使用量だけでなく事業活動を通じて発生する排水についても可能な限り再利用可能な水資源となるよう取り組んでいます。例えば本社・横浜事業所ではトイレ排水や食堂・厨房からの生活雑排水を浄化し循環利用することで、年間約5,000㎥の水のリサイクルを行い、上水や工業用水の使用量削減に貢献しています(下図参照)。こういった水関連対策費用として、2022年度には浄化槽のメンテナンスなどに約510万円支出しました。
また排水水質については、水質汚濁防止法で規定される28の有害物質につき、2021年度実績である0.81tを下回ることが目標でしたが、2022年度の実績値は0.62tでした。こうした水マネジメント計画は、本社・横浜事業所を含めて、6拠点が有しています。
水リサイクルシステム
排水量(タイプ別)(2019-2022年度)
単位:t
タイプ |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|
下水道 |
250,267 |
182,481 |
139,585 |
134,313 |
河川 |
- |
- |
- |
- |
その他 |
- |
3,562 |
31,059 | 29,789 |
総合計 | 250,267 | 186,044 | 170,644 | 164,102 |
注1:集計対象範囲は「事業所別水使用量の推移」を参照
注2:基本的に、排水量の実測値に基づき算出しています。排水循環している一部拠点については、循環後の排水量を集計。
JVCケンウッドグループは、世界資源研究所(WRI)のAqueductツールを用いて水不足や洪水などが懸念される地域(水ストレス地域)を認識し、その地域で事業を行っている拠点が、2社あることを確認しています。これら拠点における2022年度の水使用量合計は38,165tであり、グループ全体の水の使用量の21.5%となります。グローバルでの水使用量削減目標において、これら地域における削減の重要性はとりわけ高いと考え、積極的に削減していくことを目指します。なお、JVCケンウッドグループの水使用量削減に係る取り組みに加えて、これら地域で水リスクに直面するステークホルダーの皆さまを支援するための活動も行っています。2020年度には、JVCKENWOOD Optical Electronics(Thailand)Co., Ltd.の従業員22名が洪水被害を受け、サバイバルバッグを寄付するなどの支援を実施しました。
JVCケンウッドグループは、環境省の「ウォータープロジェクト」に参加しております。ウォータープロジェクトは、水環境の保全に係る企業などの取り組みを紹介するとともに、水の重要性や正しい情報を発信しています。参加団体などとは情報交換を行い、水環境の保全の取り組みに生かしています。
詳細はウォータープロジェクトのウェブサイトをご参照ください。
注:集計対象範囲は「事業所別水使用量の推移」を参照